片思い２ (ページ34)

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８４◇羽生くん視点ページ34

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「そっか……」

そう言ってノブくんは穏やかに微笑んだ。
もっと驚くかと思った。

「Aちゃんがさ、倒れたときゆづくん泣いたじゃん。無意識ってやつ？
あのとき、あーやっぱゆづくんもそうなんだなって、確信したっていうか」
　
俺もって……どういうこと？
続けられた言葉は信じられないものだった。

「Aちゃんがめちゃくちゃ好きなヤツって……ゆづくんだよ？」

「え？」

思わずこぼれた声はかなり間が抜けていた、と思う。

「ゆづくん…、なんて顔してんだよっ。…ばーかばーか！」
　
どんな顔かなんてこの際どうだっていいよ。
そんなことより

「それマジなの？ノブくんの勘違いとかじゃなくて…？」

「なめんなっつーの！何年ゆづくんのことでAちゃんフォローしてると思ってんの？
悪いけどねぇ、ゆづくんよりAちゃんに関しては詳しいよ？俺」

「……なんか。むかつくな、それ」

「ばーかっ！むかつくのはこっち！あ～もう、その呆けた顔どうにかしろよ！」

だって、信じられない。
さっき感じた嫉妬なんて吹き飛ぶほど、体中が泣きたくなるほどの切なさで満たされていく。
でも、そこにあるのは痛みじゃなくて。

「信じられない……。だって、全然そんな素振りなかった。むしろ、避けられてたし」

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