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ふらりとのろのろ歩く。
真選組屯所を後にした私は、陽炎に揺られながら万事屋までの道を歩いていた。
今日はもう遅いから、他の街案内は明日してもらおう、なんて考える。
自分の影が随分と長く伸びているのを目にして、ふと踏みつけた。
「………消えちゃえ」
「…随分と物騒な言葉を使うねェ、お嬢さん」
後ろから聞き覚えのある、ずっと焦がれてきたその声が聞こえて振り返った。
「ーー・・ッ、____姉さん、!?」
振り返った先、確かにそこには、あの日私の前から姿を消した、昨日私の前に姿を表した彼女がいたのだ。
「ーーえ?姉さんって何のことだい?私、あなたのようなお嬢さんとは面識、ないけど」
「……え?」
陽炎が揺れていた。
綺麗な紅い空が見下ろす街で。
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ティアー(プロフ) - *天 神*さん» 閲覧ありがとうございます!更新スピードは遅いですが頑張りますのでどうぞよろしくお願いします! (2018年9月2日 20時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
*天 神*(プロフ) - 初コメ失礼します。面白いです!文才がすごすぎです。更新楽しみにしてます、頑張ってください。 (2018年9月1日 0時) (レス) id: 537ce569f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティアー | 作成日時:2018年8月29日 12時