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赤羽くんは、不敵に笑う。
「…偽善者、ねぇ…
それ、君が言うのもどーかと思うけど」
「…え？」
偽善者。
それは、私がいつか彼に言った言葉。
…私が偽善者だって？
そんなわけ、ないじゃない。
…だって。
「…私は、正真正銘の悪人だよ。
悪者は悪者らしく、悲しいまま死んでいくの」
ヒーローなんて。
いらない。
もう。いいの。
報われることなんて、望んでない。
「…私は、人殺しです。
お姉ちゃんを殺しました。
…だから、お母さんたちが私を嫌うのは、
当然なの」
ねえ。そうでしょ？
私は、悪人だよ？
哀しそうな顔、しないで。
俯いた顔を上げれば、眼の前に彼が来ていて。
腕を、少しの力で握られた。
ひとの体温。泣きそうになった。
「…そ。じゃあなんで、巻きこまないように、
とか言って俺たちを頼らないの？
…それこそ偽善じゃん。
俺、迷惑なんて言ったことないんだけど。
君は、悪人にはなれやしないよ」
どこか、怒気を含んだ声色。
…意味、わかんない。
「…やだ…、やだ…っ」
意味、わかんないよ…。
どういう事か、教えてよ…。
ねえ。
赤羽くん。
「…意味…っ、わかんない…っ！」
「…俺が、教えてあげるよ」
ふわりと包まれたインド香と
慣れないひとの体温。
彼の声音は、怖いほどに穏やかで。
心の奥の奥で蓋をしてしまい込んで、
いつしか忘れてしまっていた筈の。
その、どろとろとした、穢くてどす黒い
想いが、堰を切るように、溢れ出した。
「…っ、私は…
私は、
愛され、たかった…っ」
ただ、それだけだった。
私が望むのは。
愛。
幸せ。
決して届かない、それに。
少しだけ、手を伸ばしてみても、
いいだろうか。
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ラムネ - 泣けるし、面白いし、めっちゃ書き方上手だし、最高！投稿頑張ってください！ (2022年5月28日 22時) (
レス) @page24 id: 4774474826 (このIDを非表示/違反報告)
ティアー(プロフ) - ライカさん» ありがとうございます！相変わらず亀更新では御座いますがなるべく更新早めにできるよう努めてまいります！ (2017年9月28日 23時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
ライカ - すんごくおもしろかったです！更新楽しみにしてます (2017年9月28日 17時) (レス) id: 7c63adecef (このIDを非表示/違反報告)
ティアー(プロフ) - ミルミさん» ありがとうございます！ (2017年9月23日 20時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
ミルミ - ティアーさん» わかりました。 私の作品の題名は、[暗殺教室] 吸血鬼の少女と暗殺生活!?と言います。←私の作品は、この物語だけです。 是非、読みに来てくださいね! ^^* (2017年9月17日 14時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティアー | 作成日時：2017年8月23日 0時
