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お母さんはそれから、
お酒に入り浸るようになった。
そして、私に暴力を振るうように。
綺麗で大好きだったその黒髪も、
金髪に染めて巻きまくって。
綺麗な白い肌も、厚化粧で荒れまくって。
花のいい匂いも、香水のキツくてケバい
匂いに変わって。
ピアスの穴もいっぱい開けて。
してなかった煙草を吸うようになって。
言葉遣いも以前とは比べ物にならないくらい
汚くなって。
服装も、露出度の高いものになった。
小学2年生の頭じゃ、
理解するのも難しかったけど。
これだけは、瞬時に理解した。
____あぁ、このひとは、
私のお母さんじゃない。
お母さんは家に若い男を連れてきて。
吐き気がする猫撫で声で媚を売っていた。
顔がよかったから、
男なんて腐るほど寄ってきたんだとおもう。
ーーまるで、わたしはそこにいないみたいに。
学校から帰ってきたらすぐ部屋に閉じこもる。
でも、男の人が帰ったらお母さんは、
わたしを殴って、蹴って、罵る。
お母さんも、愛されたいだけなんだよね?
わたしはずっと、そんなことを
思っていたような気がする。
だからわたしは、何にも言わなかった。
ただ笑って。
わたしを殴って寂しさが紛らわせるなら、
それでいいかもしれない。
そんなことを考えていた。
まだ、優しかった頃の母の面影が消えなくて。
いつか戻ってくれるんじゃないか、って、
心の何処かで、信じてた。
『大丈夫、わたしはまだ愛されてる。
だってお母さん、寂しいだけだもん。
わたしは、愛されてるから____。』
わたしの、合言葉。
辛くなったら唱えていた。
大丈夫。
だいじょうぶ。
わたしは、へーき。
へーきだよ。
お母さんはそのうち、家にも帰らなくなった。
1週間に1回だけ家に寄って、
1週間分の食費などを置いていく。
それは、わたしが小学4年生になった頃。
わたしが彼と出会ったのも、
たしかその頃だった____。
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ティアー(プロフ) - 怜希さん» ありがとうございます!私的にも終わりはハッキリさせたいな…と思っておりますので、これからもどうぞ宜しくお願いします…! (2017年11月29日 21時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
怜希(プロフ) - 初めまして、怜希です。とても切なくて、涙が出てしまいました。主人公の失恋と主人公の昔出会った男の子との展開、恋物語を楽しみにしています。失恋ですけど、ハッピーエンドになる事を祈ります (2017年11月28日 23時) (レス) id: a102b15976 (このIDを非表示/違反報告)
ティアー(プロフ) - ran ranさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年9月30日 11時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
ran ran(プロフ) - 読んでいてとても切なくて、どんどんこの物語に引き込まれていきました。綺麗でとても感動しました。これからも更新を頑張ってください。応援しています! (2017年9月26日 14時) (レス) id: a9500efc22 (このIDを非表示/違反報告)
ティアー(プロフ) - cherrycherryさん» 貴重なご意見ありがとうございます!これからはそのように心がけていこうと存じ上げます。これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2017年9月12日 13時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティアー | 作成日時:2017年8月14日 21時