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「花宮さん、帰らないのか?」
夕方の教室。
残っているのは、私と、浅野くんだけ。
ユキはまた女の子に呼び出されたらしい。
多分また、告白でもされてるんだろう。
「…うん。もう少し此処にいる」
机に頭を伏せて、窓の外を眺める。
下校中の生徒たちの笑い声。
部活中の生徒たちの掛け声。
とか。
「…そうか」
「ーー浅野くん、」
「なんだ?」
言えるわけ、ないよなあ。
ーー好き、なんて。
たった二文字なのに、
その言葉は錆び付いたまま。
口に出せない感情なんて、いらないのに。
「…なんでもない」
夏の日射しが、胸を焦がした。
焼け付く日光が、いたい。
痛い。
いたい。
いた、い。
「…痛い」
青い空も。
白い雲も。
煌めく太陽も。
流れる時も。
揺れる木々も。
苦手な筈の人混みも。
全部。
全部。
きえちゃえ。
なーんて。
「…僕はもう帰るが、君も遅くならないよう
せいぜい気をつけろ」
「…うん」
カーテンが揺れた。
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ティアー(プロフ) - 怜希さん» ありがとうございます!私的にも終わりはハッキリさせたいな…と思っておりますので、これからもどうぞ宜しくお願いします…! (2017年11月29日 21時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
怜希(プロフ) - 初めまして、怜希です。とても切なくて、涙が出てしまいました。主人公の失恋と主人公の昔出会った男の子との展開、恋物語を楽しみにしています。失恋ですけど、ハッピーエンドになる事を祈ります (2017年11月28日 23時) (レス) id: a102b15976 (このIDを非表示/違反報告)
ティアー(プロフ) - ran ranさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年9月30日 11時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
ran ran(プロフ) - 読んでいてとても切なくて、どんどんこの物語に引き込まれていきました。綺麗でとても感動しました。これからも更新を頑張ってください。応援しています! (2017年9月26日 14時) (レス) id: a9500efc22 (このIDを非表示/違反報告)
ティアー(プロフ) - cherrycherryさん» 貴重なご意見ありがとうございます!これからはそのように心がけていこうと存じ上げます。これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2017年9月12日 13時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティアー | 作成日時:2017年8月14日 21時