惨めに縋り付いては ページ29
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「けほっ、けほっ、かは…っ！」
止まらない咳。鉄臭い味が口の中に広がって、紅い華が咲く。
なんて言ってもほんの少しもロマンがないのは、此処がトイレなんて場所だからなのか、はたまた私を支配する恐怖感からなのか。
喉をせり上がる鉄の味。その恐怖を吐き出すみたいに、震えながら血を吐き出した。
止まらない涙の理由はきっと、私がこの世界に光を見い出してしまったから。
寂しい。
怖い。
痛い。
…助けて。
唇の端に付いた血を腕で拭う。真っ赤な鮮血は、白い腕によく映える。
「…も、やだ…」
血が着いてることなんて気にもせずに、頬を伝う生温い水を両腕で強引に拭った。
壁に背中を預けて、滲む視界を必死に隠そうと手で顔を覆うのだ。もうこれ以上、光を見つけちゃいけない。
…なんて、惨めなんだろう。
「…っ、ぅ、っ……、ぁ」
唇から息を吐き出すみたいに零れた嗚咽。
何がそんなに悲しいのかなんて。何がそんなに怖いのかなんて。何に怯えているのかなんて。
…前の私なら、わかんなかったのかな。
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ティアー(プロフ) - ルチアさん» 更新遅れて申し訳ございません！ (2017年9月18日 23時) (
レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
ルチア - 更新お願いします (2017年9月18日 23時) (レス) id: 8de61f2c67 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - kobasakuさん» ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2017年8月13日 22時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
kobasaku(プロフ) - めっちゃ続き気になります！！更新頑張って下さい！！ (2017年8月13日 22時) (レス) id: f4746d4b2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティアー | 作成日時：2017年8月9日 23時
