【暗殺教室】Time limit. (ページ28)

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何も無い暗闇にページ28

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今日は昨日みたいにハプニングもなく、平々凡々とした昼間を過ごした。…まぁ、このクラス自体が平凡とは掛け離れてるけど。

でも、昨日できなかったことを今日沢山やって。夜にはもっと大きな暗殺がある。
その為に私たちは夏休みも練習してきたのだ。

私はテストの時にはいなかった訳だから、触手破壊の手助けはできない。ただ何故か、煽り要員として採用された。因みに莉桜ちゃんの案である。

「楽しいね！」
「…ええ、でも桜庭さん、ふらふらしてるじゃない、大丈夫？」

「…うん！全然！ちょっと歩き疲れちゃっただけだよ」

神崎さんの言葉にそっと頷く。その隣から奥田ちゃんが心配そうに私を覗き込んだ。…かわいい。

昨日から、体がまるで鉛のように重い。足を一歩踏み出す度に体力を削ぎ落とされる。

…なんて言えないからなぁ。

隣ではしゃぐカエデを横目に、必死に唇の端を上げて、アスファルトを焦がす陽炎に笑って見せた。

「…ねぇ、桜庭さんも疲れてるみたいだし、ここらで休憩挟もうよ」

そう言ってくれたのは、赤羽くんだった。
…もしかして、気付いてる？

「そうだね！A、あっちの茶屋行こ！」

カエデに手を引かれて、私は赤い暖簾を潜った。もわもわした空気の代わりに、美味しそうな小豆の匂いが鼻腔に広がった。

落ち着いた赤の番傘が飾られている。メニューはぜんざいだとか餡蜜だとか団子だとか。

朦朧とする意識をその文字の羅列に向ければ、嘔吐感がより酷くなった。甘い小豆の香りが私を誘う。

「…じゃあ私は、お茶、一つ」

「え、スイーツあるのに食べないの？A」

「…うん、お腹すいてないからお茶だけで大丈夫。少し休めればそれで…っ、」

突如喉をせり上がるあの感覚。

体中を虫が這うような気持ちの悪さに、目眩と吐き気、毛が逆立つ感覚を憶えた。

「ごめ…っ、ちょっと…トイレ」

かたりと椅子から立ち上がった私。カエデがどうしたの、と私に問うたけれど、答える間もなくトイレに駆け込んだ。

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