検索窓
今日:21 hit、昨日:11 hit、合計:14,169 hit

65 ページ25

〜奈穂side〜

『ッ……!!』


当たれば即死級の威力がある拳が眼前に突き出てくる。私はそれを後ろに沿って回避。そのまま地面に両手を着き、反動でその腕を蹴りあげた。中也さんは私から距離を取った


中也「いつの間にか強くなってたんだな……奈穂」


『もう…昔みたいに一発で気を失ったりしません』


あれからずっと私たちは攻撃を続けていた。お互い所々出血し、息も上がっていてボロボロだが、勝負が着くまでこれは終わらない


中也「それも何処まで持つかだなァ……」


『……………っ』


そしてまた衝突


中也「守ってばっかか奈穂!!」


『そっちこそ段々引いて行ってますが!!』


中也さんの重力ののった殴打がくる。羅生門で防ぎながら、残りの布で中也さんを襲う。しかしそれは中也さんが一瞬で拾い上げた小石によって防がれた


『異能力 鏡遊び───────人間失格!』


中也「!!」


中也さんの手に触れながら首領の異能を発動させる。このまま銃で撃てば、中也さんも流石に動けない


『ご覚悟を、中也さん』


トリガーに指をかけた時


『っ…………』


今までの記憶が、頭の中に浮かんできた





"奈穂、笑顔練習すンぞ"


"?……何故?"


"お前は絶対ェ笑った方がいいからだ。ほら、笑ってみろ"


"…………笑ってます"


"嘘つけェ!思いっきり真顔じゃねぇか!!"






"……中也さん"


"お、奈穂じゃねェか。どうした?"


"中也さんに、プレゼント持ってきました"


"何だよいきなり……俺ァ今日誕生日じゃねェぞ"


"いつもお世話になってるから……これ…葡萄酒"


"……………"


"……泣いてます?"


"泣いてねェ"







やっぱり、駄目です


私は貴方を殺せない









『ぐっ………!』


手を弾かれて銃が床を滑っていく。そして、飛んで距離を取った


中也「手前……」


『……………』


やっぱり無理だ、この人を殺すなんて。私には到底できない。この四年半、中也さんには一番お世話になった。怪我をした時も、怒られながら丁寧に手当してくれた。私が任務で大成功した時は人一倍褒めてくれた


『中也さん』


気づけば


『お願いですから、道を開けてください』


頬は濡れていた


『私は貴方を殺したくないです』


中也「………………」


中也さんは顔を隠すように帽子を深く被った

お知らせ→←64



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
101人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:るーりん | 作成日時:2022年12月29日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。