夜柱は悲しく輝く2

不安 ページ37

貴方Side
ぼーっとしていると、目の前に1匹の蝶々が。
私の肩にとまった。

貴「綺麗な羽ね、どこまでも飛べそう」

後ろにふと気配を感じて振り返ると、小さなうり坊がいた。市松模様の布を首に巻いている。

貴「こんなところに珍しい。おいで？」

トコトコと寄ってきて、私の膝の上に乗った。

貴「何だか懐かしい感じがする、あなたとは初めて会った気がしない…」

するとふいに、雲一つない夜空になぜかピシャリと一筋の雷が落ちた。

貴「天気はいいのに…。怖いね」

うり坊を撫でてやると、うとうとし始めた。

貴「なんだろう…この漠然とした不安…」



何かを確実に忘れている。1番大切な何か、この子達が教えてくれようとしている。

なのになぜ、何も思い出せないのか



あと少し、あと少しで何かわかるかもしれない。

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