夜柱は悲しく輝く2

ここはどこ ページ29

炭治郎Side
さっきまでみんなと一緒にいたはずなのに、なぜか今は知らない所にいる。

四方を襖で囲まれている部屋だけど、襖を開けても広がるのは暗闇ばかり。

し「出れそうにありませんね…」

善「急になんなの…！？最近ほんと、よくないよ！！」

伊「おい！！さっさと出せ！！」

炭「一体ここは…というより、誰がここに俺達を…」

し「この感じは鬼の血鬼術のようですが…」

善「どーでもいいよ！！さっさとここから出してよぉーー！！」

鬼「騒がしいなぁ。だから大人数招待するのは嫌いなんだ」

し「…！？あなたは！！」

鬼「あ、おねーさん久しぶり！覚えてくれてたんだね！」

炭「しのぶさん、知ってるんですか？」

し「この鬼が…昔Aを騙した鬼です。どうしてまたあの子に関わるのですか？こんなことしなくても、取って喰らえばいいのでは？」

鬼「野蛮だなぁ…。取って喰らうだなんて嫌な言い方しないでよ。おねーさん、僕は美食家なんだよ」

し「美食家…？」

鬼「そう、僕は人間を一度試して、より心が純粋で傷つきやすい人間を選ぶんだ。そして育てて、いい頃合いになったらこの部屋で静かに食すのさ」

し「それが今回はAだった…と」

鬼「そう！あの子はとっても純粋で、すぐに傷つくしすぐに治る…それを繰り返すほど、歯ごたえがよくなるんだよ♪
一度僕が絶望に突き落として、君たちが直して、今回また僕が絶望に陥れる、それで完成なの。人間が幸福から絶望に落ちた瞬間…もうそれはそれは美味しくて…」

し「人の気持ちを弄んで私腹を肥やすとは、反吐が出ますね」

鬼「あ、安心してよ、今回は特別。君たち全員招待したけど、何人かは殺さないかもしれない。全てはあの子次第だよ」

伊「おい！とにかくここから出せよ！！」

鬼「この屋敷から出る出入口は1つだけ…だけど、教えないよ」

伊「は！？ふざけんなよ！！」

鬼「僕の血鬼術はね、想像を現実にすることなんだ。簡単に言えば、君たちは僕の頭の中さ。僕の頭の中にある想像の世界に君たちはいる。だから出入口はないんだよ」

善「…？」

伊「…？」

炭「…？」

し「大丈夫ですか？」

どういうことかすぐに理解できなくて、しのぶさん以外の3人は目が点になりました。

冷静に→←落ちた先

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す