過去編 ページ1
貴方Side
記憶は曖昧で、気づいたらあのお屋敷にいた。確か両親に捨てられて、遊郭に売られるはずだったけれど、その道中に現れた美しい女性に手を引かれて山を登ったのは覚えている。
彼女は月影聖羅と名乗った。
『これからあなたには、夜柱の跡継ぎとなる者として努力してもらう』
話によると、最終選別にさえ合格すれば、私には柱という地位が約束されているのだそうで。
それからは鍛錬の日々で、毎日努力した。
型を全て習得してから数日、彼女は病に倒れて床に伏せた。
そんな彼女を置いて、私は10歳ながら鬼殺隊最終選別に向かい、無事に帰ってきた。
笑顔で迎えてくれた彼女は弱々しい声で、最後の技を教えてくれた。
『これは、最後の最後の手段だからね…。あと、これは私からの贈り物。鬼殺隊のこと、よろしくね…』
水色の羽織りと、彼女が現役のときに身につけていたという、ピンクの綺麗な布をもらった。
『あなたは、どの鬼殺隊員も敵わない…強さを持っているわ……仲間を、信じて…』
…彼女は静かに息を引き取った。
そして私は夜柱となり、数々の任務をこなしていた。
し「A…!待ちなさい…!」
貴「あの鬼は!助けてって言った!」
義「罠だ!今すぐ引け!」
貴「どうして!?鬼であっても、助けを求めている者に手を差し伸べるのが当たり前でしょう!?…もういい!」
ある夜の任務で、私、義勇さん、しのぶお姉さんの3人である山に来ていた。
そこで出会った小さな鬼は、怯えた顔で私に助けてと言った。
鬼であることに苦しんでいると思った私に、殺す勇気はなかった。
悪鬼滅殺を掲げながら、私は不覚にもその鬼はまだ殺さなくてもいいと思ってしまった。
…甘すぎた。
私達に背を向けて逃げる鬼を追いかけながら、罠だと言うしのぶお姉さん達に腹を立てて、ついつい撒いてきてしまった。
鬼「ねぇ、お姉さん…僕をここで殺して…」
貴「…あなたがそれで、救われるなら…」
刀を引き抜こうとしたそのとき、
鬼「…なんて、言うと思ったぁー?」
貴「何っ…!」
辺りを見ると、鬼に囲まれていた。
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さき(プロフ) - 言ノ葉さん» 確かにそうですね…!ありがとうございます!! (2019年9月13日 16時) (レス) id: b66acd21cf (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - タグの「オリジナル」も消した方がいいと思います…… (2019年9月12日 21時) (レス) id: 50b948882d (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 寒波さん» 外すの忘れていました…!大変失礼いたしました!!教えて頂きありがとうございます!! (2019年9月3日 13時) (レス) id: b66acd21cf (このIDを非表示/違反報告)
寒波(プロフ) - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2019年9月3日 12時) (レス) id: fca7c03b31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さき | 作成日時:2019年9月3日 11時