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あなたside
「あの、あか...」
「沖矢昴です」
ニッコリと笑う沖矢さん。
うっさんくさ〜!すご〜い!
話もとりあえず?まとまり、緊張感が若干和らいだところで、私は沖矢さんに話しかけた。
「私、これからどのように振る舞うのが正解ですか...?」
特に、安室さんの前で。
そう言うと沖矢さんも困ったように眉間に皺を寄せた。
「彼とは対立したくない、というのが本音ですね。だから貴女には申し訳ないが、最初の設定を通すべきでしょう」
にっこり。と効果音が付きそうなほどの笑顔。
本気です!?!?!?荷が重い!!!!!
騙す相手が相手だ。
下手なことはできない。
「できるかぎりがんばります...」
思わず尻すぼみになる声に、コナンくんが無理はしないでねと慰めてくれる。
「僕も今の段階で安室さんと対立関係になることは避けたいな。でも、お姉さんが沖矢さんの関係者と知ったら、安室さんは間違いなく接触してくる」
青い、聡明な瞳が私を見つめる。
「お姉さんは、本当に僕達の味方?」
きっと、これが最後の確認だ。
状況を判断するための、最後の確認。
「私は、」
真っ直ぐに、その瞳を見つめ返す。
「私は、私の味方です。私のために、あなた達の味方になります」
答えにならない答え。
でもこれが答えだ。
私は私のために。
きっとそれが最善になると信じてる。
「いい目をする...」
沖矢さんが薄く微笑む。
微かに開いた瞳が楽しげに揺れた。
「確かな意思が貴女にあるのなら大丈夫でしょう。なぁ、ボウヤ?」
「...そうだね。心配はいらないみたいだ。改めて、これからよろしくね、お姉さん」
差し出された右手を取ればもう戻ることはできない。
帰るために。
私はその手を握りしめた。
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作者名:真 | 作成日時:2018年3月18日 0時