[FAIRYTALE] 天体の滅竜魔道士 (ページ50)

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第49話 vsエルザページ50

「エルザ、さっきから兄さんのことばっか。」

私の放った声にがその場に響く。

「A！？なぜここに！！！」

「もう、分かっているでしょ。私こそ4人目。だから、倒してあげる。」

戸惑った様子のエルザは、私が洗脳を受けているのではないかと勘違いしたようで、ジェラールを問い詰める。

「ジェラール！Aに何をした！？」

しかし、それに答えるのは私。ジェラールは私に何もしていない。

「何もしてないよ。兄さんには今日初めて会った。そして、私はギルドの紋章を消した。」

そう言って紋章があったはずの手の甲をエルザに見せる。
そこまですると、私がエルザの敵だということが分かったらしい。

そして、無謀にも私とジェラールの2人を相手に戦おうとする。

「あと7分だ。あと7分でエーテリオンはここに落ちる。この7分間を楽しもう。」

「今の私に怖れるものは無い。たとえエーテリオンが落ちようと貴様を道連れにできれば本望。」

「私がそんなことさせない。」

エルザのやろうとしていたことはジェラールの息の根を止めること。
想像通りだった。エルザにそんなことはさせない。

私はジェラールの前に立ち、エルザに片手を向ける。

「＿＿光の輝き(フォトンフラッシュ)。」

エルザに向けた手から魔法を放つ。
しかし、これは攻撃魔法では無い。相手の視野を塞ぐ魔法。

激しく輝く光に、エルザの視界は塞さがってしまう。
その瞬間に攻撃用の滅竜魔法を放つ。

「＿＿天体竜の鉤爪。」

この攻撃をモロに食らってしまったエルザは塔から落ちかける。
しかし、一緒に壊れてしまった塔の瓦礫を足場にして私たちのいるところまで戻ってきてしまった。

そして、エルザが攻撃を放つのは私よりも近くにいたジェラールだった。

「せっかく建てた塔を自分たちの手で壊しては世話がないな。」

「柱の1本や2本、ただの飾りにすぎんよ。」

余裕そうに攻撃をかわすジェラール。

「その飾りを造る為にショウたちは8年もお前を信じていたんだ！！！」

「人の気持ちなんかより重要なのはRシステムの完成だよ。」

ショウとかいう人のことは知らない。
エルザの昔の仲間で、ジェラールが駒にしていた人物だろうけど。
Rシステムが完成しているという事実の方が重要である。

「そしてそれは完成した！！！！」

ジェラールが魔法でエルザを捕まえようとすると、その拘束すら刀で切り刻んで、ジェラールを押し倒した。