第26話 激闘 〜マシュー・グラマー〜 1 ページ27
ジョゼを倒すためにギルド内を駆け回る。
すると、目の前に、嫌な男が現れる。
「何を探しているんだい？愛しのAちゃん？」
「貴方のところのマスターを出して。」
「俺のことを差し置いて、マスターに用か…。ダメじゃないか。」
「貴方に用はないの。」
「悲しいな。Aちゃんは俺のことが嫌いなのか。」
「どう考えたら、私が貴方に好意を持っていると考えられるのか知りたいな。」
しつこいマシュー・グラマーに、皮肉のようにそう言い放つ。
しかし、彼の表情は変わらない。
とても腹の立つ笑顔。
そんな彼に、体術で仕掛ける。勿論、竜の力を纏わせて。
それも余裕の表情で躱されてしまうのだが。
「そういえば、なんで眼帯をつけているんだ。綺麗な顔が隠れてしまうじゃないか。」
「本当に腹立たしい男！忘れたの！？貴方につけられた傷のせいだよ！！」
私の右目には2つの大きな傷がある。そして、その内の1つが彼につけられた傷。
覚えていないとは言わせない。
「覚えているに決まってるじゃないか。
俺が言いたいのは、その傷の入った顔を見たいということなんだけどねぇ。」
「……え？」
思わず攻撃が止まる。
その隙に彼から強烈なグーパンチがは当たれる。
吹っ飛ばされる私の体。
「ぐっ…。ホント気持ち悪い。」
腹にグーパンチが決まればそりゃ、なかなかの衝撃だ。
そして、苦しむ私を見て、さらに恍惚とした表情を浮かべる。
「そういえば、ジュピター発生まであと5分もないけど、こんなところにいてもいいのかい？」
「…関係ない。ナツがどうにかしてくれる。」
「ナツ…滅竜魔導士か。」
ナツはやってくれる。だから、こいつとの戦いに集中できる。
そして、ナツの名前を聞いて動きが鈍くなったうちに、文字魔法を叩き込む。
「＿＿闇の文字 痛み！！」
咄嗟に避けようとしたが、かすってしまう。
かすったところから痛みが広がっていくようで、そこを抑えながら、こっちを睨む。
「余裕がなくなった？
安心して。もっと叩き込んであげるから。＿＿流星！！」
高速移動をしながら、攻撃を加えていく。
少しずつ傷が増えていくマシュー。
「あぁ。俺は痛いことが嫌いなんだよ。」
「それは私も一緒なんだって。初めて共通点が見つかったね。」
人を、私を傷つけることが好きで、傷つけられるのが嫌いとか狂ってる。
ずっと下を向いていたマシューが顔を上げた。
「俺を怒らせてはいけないよ。」
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作者名：あざらし x他1人 | 作成日時：2018年9月20日 23時
