[FAIRYTALE] 天体の滅竜魔道士 (ページ23)

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第22話マシュー・グラマーページ23

「む、なに。」

エルザは意味ありげに、術式を書いている途中の私の頭をポンポンする。

「よくファントムの魔導士と問題を起こしているだろう。」

「確かにそうだな。」

エルザの言葉にグレイまで賛同して、ルーシィが驚いている。

「え、A、問題行動起こすようには見えないのに。」

「…だってアイツ、すごくしつこい。」

「アイツ？」

顔を合わせるたびに吐き気がする。
最上級の笑みを浮かべるアイツをみて、何度手にかけてやろうと思ったことか。
無意識に拳に力が入る。怒りがこみ上げる。
ルーシィはそれに気づいて怯えている。

私と彼の争いでいくつか街が崩壊したのは懐かしい。

「マシュー・グラマーって男。会うたびに私をオトそうとしてくるの。
しかも、私の苦しむ顔見て喜んでる。ホント、タチ悪い。大っ嫌い。」

「な、なんか、かわいそうね。」

ヤバイ男に付きまとわれていると知って、同情してくれるルーシィ。
ナツは、納得いかないように、声を上げる。

「でもよお、じっちゃんもビビってねえで、ガツンとやっちまえばいいんだ。
Aだって、いつも嫌がってんだからよ。」

「じいさんはびびってるわけじゃねぇだろ。あれでも一応、聖十大魔導の1人だぞ。」

グレイが何かを読みながら、ナツに反論する。
グレイの手にしていたのもはルーシィの書きかけの小説と知ったところで術式を書き終わる。
小説をかけるなんてすごい才能だ。

「ルーシィ、終わったからお風呂借りていいかな。」

ルーシィに許可をとって浴室に入る。
外からはみんなの声が聞こえる。
わたしにはエルザの声がより一層届いた。

「実際争えば潰し合いは必至。戦力は均衡している。
マスターマカロフと互角の力を持つと言われている聖十大魔導のマスタージョゼ。
そして、向こうでのS級魔導士に当たるエレメント4。
さっきAが言っていたマシューも性癖に問題があるが、強者であることに変わりはない。
しかし、一番厄介だとされるのは…」

風呂に入って、深呼吸をする。

ファントム…
しかし、ギルドのメンバーが襲われなくてよかった。
襲われたとなれば、間違いなく戦争になっていた。

そして、もし戦争になれば、間違いなくアイツと戦うことになる。
できることなら金輪際顔を合わせたくない。、名前すらも聞きたくない、そんなアイツに。

一体この後どうなるのか。

一先ず、しっかりと疲れを取って、明日またどうしようか考えよう。