純白の天使 (ページ12)

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12話ページ12

「エミさん入るで～？」

「どうぞ」

扉を開けて来たのはゾムだった。
ゾムは辺りを見渡すように足を進める。そんな様子のゾムにエーミールは声を掛けた。

「何かお探しでも？」

「いやぁ、レイが居らんなぁと思ってなぁ…」

「レイちゃん？」

「おん。今増え鬼やっとるんやけど、レイが捕まらんと終わらんくてな…」

そう言うゾムにオスマンは興味が無さそうに返事をする。

「レイちゃんなら見てへんで。」

「おお。ありがと。他んとこ当たるわ。」

そう言ってゾムは来た道を戻って行った。

そして暫くの間、オスマンは椅子の影に隠れていたレイに声を掛けた。

「もう出て来てええよ。」

「ありがとう、まんちゃ…」

「増え鬼とは随分懐かしいですねぇ…」

「エミさんも遊ぶんか。」

「いや、私も遊びますよ…」

「ただのガリ勉かと。」

「失礼な。」

「ふふふ…」

そう言う二人の会話に笑い声を零すレイだった。そしてレイがその場から離れると突然ふんわりと身体が浮く。

「わあぁ？！」

「ふーん！俺はそうそうに帰らないぜ！」

「ごめんなぁ。レイちゃん」

「見事に騙されましたね。」

「子供は純瑞やからね。疑う心をしらん」

「貴方が言うと冗談には聞こえませんね。」

「実際そうやろ？好奇心の塊で疑うって事を知らん。好奇心は猫を殺す…レイちゃんはどちらかと言えば控えめやけどその分興味は示す機会は多くあるやろ？」

なぁ、教授？っと言うオスマンにエーミールは何も言わず紅茶を啜る。少し間を置けば口を開いた。

「行き過ぎた好奇心は身を滅ぼす。私が教える分にはそのような事はないかと。」

「はぇ～…流石は教授やな。」

「伊達では無いので。むしろこちらが本職ですよ。」

そう言うエーミールは戯れるゾムとレイを見た。