純白の天使 (ページ9)

今日:3 hit、昨日:34 hit、合計:112,800 hit

9話ページ9

「う…ん？」

「どうした？レイ」

「なんか…向こうからボヤってしたのがみえる…」

唸りながら目を凝らすレイの視線を追えばそこには鬱に姿がコネシマにはハッキリと見えた。
そこでコネシマは違和感を覚えた。
たったこの距離で実像がボヤいて見えると言う事に。普通の子供なら普通に見えるはずなのに。

「うう～ん？なぁにあれ…？」

「鬱やな。大先生～！」

「おお！コネシマか！」

そう言って鬱はコネシマ達に寄って来る。鬱の姿がハッキリと見えたのかレイは声を上げる。

「うつさん！」

「鬱やで～。ほんで2人は何してるん？」

「増え鬼」

「え？」

「増え鬼や。」

「ぞみゅさんがおに！」

「また厄介な奴が鬼やなぁ…」

そう言って鬱は苦い顔を浮かべた。

「なぁ、レイ」

「なに？ちっま」

「お前もしかして目ぇ悪いんか？」

「ううん？」

「ん、どうしたん？」

「いや、なんかボヤいて見える言うから見たらお前がおったんよ、けど距離的にもお前の姿がハッキリ見える距離やったし…」

そう言うコネシマにレイは首を傾げる。
鬱も不思議そうに首を傾げた。

「アルビノって…視力にも影響あるんか？」

「それはぺ神に聞かへんと分からん。」

「ねー、ちっま」

「お、なんや？」

「あれ…」

そう言って指を指す方向には、緑色の彼の姿があった。味方最大の脅威、ゾムだった。
コネシマ即座に鬱を引っ張り逃げ出す。

ゾムもまたニンマリと口元を上げれば悪魔の様な笑い声を上げて走り出す。

鬱は巻き込まれた形になりそのまま暫くコネシマに引きずられる事になるのだった。