純白の天使 (ページ6)

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6話ページ6

「ぞみゅさん！」

「おー！レイが立っとる…！」

そう言ってゾムはレイの側による。

「私、歩けるようになったんだ！」

「へー。そりゃ凄いなぁ。」

「だから、遊ぼ！」

そう言うレイにゾムは頷いた。

「何して遊びたいん？」

「んー…」

そう考えて悩むレイだったが最終的に出た言葉は、

「お外でなにして遊べばいいの？」

だった。
その言葉にしまったと言う顔をするゾムだったが、ゾムが提案するとレイはワクワクとした表情で頷いた。

「よーし！今から増え鬼するで！」

「おー！」

「よし、俺が鬼やるから逃げてるんやで。あ、ひとらんの牧場の反対側は行ったらアカンからな？分かったか？」

「うん！あと、トンとパパの部屋の階には逃げない！」

「そーそー。よう分かっとるやん。」

ルール確認を終えた2人はゾムが手を叩き合図をすると、レイは義足で遅いが逃げていった。姿が見えなくなるのを確認したゾムはゆっくりと散歩するかのように追いかけて行った。

「誰かいないかなぁ…」

そう辺りに目線をやると、赤いニット帽被ったシャオロンの姿だった。レイはシャオロンを見付けると少し歩くスピードを早めた。

「シャアちゃん！」

その呼び掛けにくるりと後ろを向くシャオロン。

「シャ“オ”な。」

「シャアちゃん！今ふえおにしてるの！」

「ほぉ～、そのおっそい足でか？」

「遅くないもん！それでね、今ぞみゅさんがおになの！」

「はて、ぞみゅとは誰かな？」

「だから、シャアちゃん！」

「シャアちゃんも誰かなぁ？」

「もー！」

煽るように言うシャオロンに頬を膨らませるレイにシャオロンは膨らんでいる頬を指で突く。

「あれ、シャオロンさん！」

「おー、ゾムか。」

「今レイと増え鬼してるんっスよ！」

「嗚呼、言うてたなぁ。」

するとゾムはニコニコしながらシャオロンに近付いていく。少しずつ顔が青くなるシャオロンとゾムに気が付いたのかな我先にと言った感じで歩き始めるレイ。

「チーッス！」

「やろうと思ったわ！」

そう走り出すシャオロンはレイを軽々と抱き上げるとそのまま走っていった。そんな様子を見たゾムは口元を上げた。

「このまま護衛模擬で訓練しましょうよ！シャオロンさん！」

「何でや？！増え鬼ちゃうのか？！」

走りながら会話をする2人。

レイはポカーンとした表情で担がれたまま風のように過ぎ去る城内の景色を見ていた。