純白の天使 (ページ2)

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2話ページ2

「こっちだゾ！」

そう言ってグルッペンは両手を広げ、壁に手を当てながらもなんとか進むレイを待っていた。その姿はさながら初めて歩く我が子を待つかの様な光景だった。

「う…！」

「もう少しだ！」

そう言うグルッペンにレイは確かめるように一歩ずつゆっくりと進む。

「あ…！」

そう言ってバランスを崩したレイはそのまま倒れるかと思いきや、ふんわりと何かに包まれる。
甘く菓子の匂いがほのかに香り、視界は漆黒に染まる。顔を見上げれば金髪碧眼に整った顔立ちのグルッペンが見える。

「大丈夫か？」

「う、うん…ありがとう、パパ」

「平気だゾ。しかし今日は少し無理をさせ過ぎたな。」

そう言ってグルッペンはレイを抱き上げる。

「あ、あるけるよ…！」

「覚束ないその脚で帰れんやろ。」

「…はーい」

そう言ってレイは小さくまたその可愛らしい顔をグルッペンの肩に乗っける。するとふんわりと頭に重みが乗る。

「レイは真面目やな。」

「…けど、ころびそうになった…」

「安心しろ。エーミールも転ぶ。」

「えっ？！」

「本当だゾ。その時は鼻で笑ってやれ。」

「で、でも…そーゆーの笑っちゃダメってエミールせんせ言ってた…」

「パパッペンが言うから良いんや。」

そう言うグルッペンに困惑するレイだったが、またいつものように可愛らしい笑顔に戻った。