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1話 ページ1

「う…ん…しょ…!」

「そうそう、次は右脚上げてみな」

そこには幼女が平行棒(へいこうぼう)に掴まりながらゆっくりと歩いていた。側には神と書かれた布を顔に付けた体格の良い和服に白衣を肩に掛けた男が支えていた。

「んん…!」

「後もうちょいやで」

そして端まで辿り着けば、小さな車椅子に力なく座り込んだ。

「お疲れ様。レイちゃん。」

「つかれた…」

「そのうち歩ける距離も伸びるから頑張ろうな。」

「うん!」

そう言って軍医のしんぺい神はレイの頭を撫でた。

レイが両足の義手を付けて3ヶ月が経つ。
季節は暖かい春となり、桜が舞っていた。

「歩行練習はどう?」

「ちょっと歩けるようになった!」

「そっか。」

「歩けるようになったら、げどまるにのる!」

「良いな。外道丸も喜ぶよ。」

「えへへ。」

そんな会話を巨木の日陰で話していたひとらんらんとレイだった。そこへ、トルコ帽子を被った男がやってくる。

「おー、居った居った。ひとらん〜」

「オスマンか。どうした?」

「鬱が呼んでたよ。」

「大先生が?」

「うん。部屋に来いと。」

「面倒っ」

「しゃあないって。」

「バイバイ」

「うん、またね!らんちゃん」

「ねーねー、俺は?」

「まんちゃ!」

「やっぱり謎やなぁ〜」

そう言ってオスマンはレイの車椅子を引いて場内へと入っていった。

レイが我々帝国に来て1年が過ぎた頃、その間でも色々とあったが今もこうして何事もなく平和に過ごせているこの頃レイは両足の義手を付けていた。

そしてこれから起きる出来事はよりこれからのレイについて大きく関わるだろう。

2話→



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作者名:更新不定雑飽子 | 作成日時:2020年1月3日 21時

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