第228話《激戦II》 ページ35
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ところが突然、砲撃が止む。見上げると宇宙船は照準を移し、地面ではなく空を目掛けて撃ち始めていた。
『何を狙ってるの……？』
《大気圏に何者かが突入したようです。》
硝煙で澱み、曇った空に強い光が透けて見える。光は凄まじいスピードで宇宙船に突撃すると、そのまま船を貫通した。大きな爆発が起き、宇宙船は傾きながら墜落した。
「いいねぇ！最高！」
歓声が上がる。光の正体は_____キャロルさんだ。心強い味方の登場にホッとしていると、タイムマシンの起動準備が完了したとの知らせが来た。
『大丈夫！？』
ガントレットを抱いたまま地面に座り込んでいるピーターに駆け寄る。呆然としている彼の肩を揺さぶり呼びかけると、不安げな瞳がこちらを向いた。
「突破できるかどうか……」
気配を察知し顔を上げると、ゾロゾロと敵の援軍が此方へ向かって来ているのが見えた。私はピーターの手に自身の手を重ね、そのままガントレットに触れた。
『ピーター、よく頑張ったね。ここからは私が運ぶよ』
「えっ、でも！」
『ちょっと休んでて。すぐに帰って来るからさ』
何か言いたげなピーターの視線を振り切り、タイムマシンまで急ごうとした瞬間だった。踵を返すとキャロルさんがすぐ側にいて、私はゴクリと喉を鳴らした。
『私がストーンを運ぶ間、陽動をお願い出来ますか』
「ええ。でも覚悟はあるの？」
死ぬかもしれないぞ、と言われているのだと気付き、私は手の中のガントレットを強く握った。死ぬ、か。
その程度の覚悟なら、とっくの昔に決めてある。そう答えようとした瞬間、「心配しないで」と上空から声が降り立った。
「我々がいるから」
『皆……』
次々と華やかなヒーロー達が揃う。その勇ましくも美しい背中に、私は"彼女"の面影を見てしまった。彼女も本来ならば此処にいる筈なのに、と胸が締め付けられる。
『(いや、違う)』
いる。きっと彼女は、この戦場で私達を見守っている_____確信を得るともう、胸にしがみついていた悲しみは消えていた。
彼女達は私を守るようにして先陣を切ると、見事な連携のもと一斉にサノスへ攻撃を放った。その熱量に圧倒されたサノスは、たちまち地面へと倒れ伏す。
『(見ていて、ナターシャ！)』
口を滴る血を拭い、腫れた指を再び握り締める。そして地面を蹴ったその時、誰かにトンっと背中を押されたような気がした。
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vanny(プロフ) - Unknownさん» トニー推しの身としては、解釈が合うと言って頂けて一安心です笑これからも頑張って創作に励みますね！素敵なコメントありがとうございました。 (8月30日 12時) (
レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - Unknownさん» このような長い物語を呼んで頂き、本当にありがとうございます。絶対完結させるぞ…！と意気込んで必死に書いて来た日々が報われたような気分です😢私の作品がUnknownさんのお目に止まり、少しでも要望を叶える事が出来ていたのであれば僥倖です。 (8月30日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - そして、3年という長い年月をかけてまで完結してくれたことと、自分の中でのトニースタークの解釈と本当に一致していたのが嬉しいです笑これからも、素晴らしい作品を生み出してください。 (8月29日 0時) (レス) id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - 本当に素晴らしい作品で、一気に読んでしまいました。私もトニースタークの哀しい人生に何か救いがあればいいな、と思っていました。このような本当に素晴らしい作品に出会えた自分の運、そして、作ってくださったことに心から感謝したいです。 (8月29日 0時) (レス) @page49 id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - stupidさん» お気になさらず〜！日常系ですね！分かりました👍ありがとうございます！ (2023年2月11日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：vanny | 作成日時：2022年3月16日 13時
