第214話 《1970》 ページ21
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ニュージャージー州、陸軍基地。英雄と謳われるキャプテンアメリカが生まれた土地だ。仮説が正しければ、今ここにはピム粒子とストーンの両方がある筈なのだが。
スティーブとは先程エレベーターで二手に別れたばかりだ。今頃彼は必死にピム粒子を探してくれているだろう_____私も頑張らなくては。
《その先を右に曲がって下さい。突き当たりの部屋からストーンの反応があります。》
『分かった』
とある部屋の前に辿り着く。扉を開け、ジャービスの指示通りに部屋を探ると_____幾つもの厳重そうな箱の中に、内部にストーンの反応があるものが見つかった。
『……これ、開けられる？』
《解析します。……45秒ほど時間がかかります。》
『お願い！』
ガチン、と音が鳴る。《開きました。》とジャービスが何処か誇らしげに言い、私は密かにガッツポーズを決めて『流石』と彼を褒めた。
重い扉を引くと、青く眩い光が周囲を照らした。慎重にストーンをケースへ移し、しっかりと閉じる。一息つきたいが、うかうかしている場合ではない。一刻も早くキャプテンと合流して_____
「アーニムか？……アーニム！」
身体が跳ねる。しまった、誰か居たのか。とっとと立ち去ろうと思ったが、声の主は私の姿を既に見つけてしまったようだった。
「おい君！ドアはこっちだぞ」
諦めてゆっくりと踵を返すと、そこには一人の男性が立っている。
見覚えのある彼の姿に、私は気付けば"その名"を口にしていた。
『スターク、さん……？』
「いかにも私はスタークだが。君は？」
『……ウィリアムズです。初めまして』
＊
赴任して来たばかりで迷ってしまったと言うと、彼は信じてくれたようだった。親切にも外まで送ってくれるそうで、正直怪しまれないかどうか不安だったのだが、迷った末に厚意を受け取る事にした。
『……花束ですか。素敵ですね』
「妻が妊娠中でね。なのに仕事でほったらかしだから」
『っ！それは……おめでとうございます』
暗いエレベーターの中で、花束の鮮やかな色彩に目を奪われる。そっか、もうすぐ彼が産まれるのか……しみじみ感傷に浸っていると、「すまない、持っていてくれ」と花束を手渡された。
「本当はね、女の子が良かったんだ」
不意な一言に驚愕する。すぐさま思わず『何故？』と問うと、彼はありったけの自嘲を含めたように「私のようになる可能性が低い」と答えた。
「大義のために個人の幸福を犠牲にする事は、虚しいという事だよ」
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vanny(プロフ) - Unknownさん» トニー推しの身としては、解釈が合うと言って頂けて一安心です笑これからも頑張って創作に励みますね！素敵なコメントありがとうございました。 (8月30日 12時) (
レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - Unknownさん» このような長い物語を呼んで頂き、本当にありがとうございます。絶対完結させるぞ…！と意気込んで必死に書いて来た日々が報われたような気分です😢私の作品がUnknownさんのお目に止まり、少しでも要望を叶える事が出来ていたのであれば僥倖です。 (8月30日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - そして、3年という長い年月をかけてまで完結してくれたことと、自分の中でのトニースタークの解釈と本当に一致していたのが嬉しいです笑これからも、素晴らしい作品を生み出してください。 (8月29日 0時) (レス) id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
Unknown(プロフ) - 本当に素晴らしい作品で、一気に読んでしまいました。私もトニースタークの哀しい人生に何か救いがあればいいな、と思っていました。このような本当に素晴らしい作品に出会えた自分の運、そして、作ってくださったことに心から感謝したいです。 (8月29日 0時) (レス) @page49 id: 15fcef644d (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - stupidさん» お気になさらず〜！日常系ですね！分かりました👍ありがとうございます！ (2023年2月11日 12時) (レス) id: e2f2cf9807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：vanny | 作成日時：2022年3月16日 13時
