煙のように掴めないもの【スモーカー】

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「────最期に言い残すことはあるか」

己の下に倒れる満身創痍の女に向けて、そんな言葉を投げかける。
彼女は海賊王ゴールド・ロジャーの船員であった者だ。殺す以外の選択肢は、無い。

『そうだなぁ……』

女は空よりも彼方を見つめ、答える。

『……できればもう一日だけ、生きたい』

「……へぇ？」

『明日はソウルキングのコンサートなんだ…ようやっとチケットが取れたのになぁ……』

「…………。そいつは、残念だったな」

馬鹿らしくも、心の槍はぐらりと揺らいだ。

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海賊王のクルーだった女とスモーカーの獄中恋愛(笑)です。
序盤は仙水と樹の話を意識してます。好きです。

※スモーカー夢
※なんでも許せる人向け
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