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傍観者 ページ7












あれはAと五条が付き合いだして間もない頃の夜。






私はいつものように
共同スペースの奥にあるベランダで一服していると、

五条がカラカラと窓を開けて、
浮かない顔で言葉を詰まらせていた。








最初こそお坊ちゃまでワガママで
扱いにくい五条だったが、

Aと付き合ってからは、
こうして大人しくしているのが
気持ち悪いと思えるほどだった。


















「………なに?」





「…Aのことで、_____ 」


















告げられた事実は、クソみたいな世界の象徴だった。

それが実際に実現できて、
揉み消して無かった事にできるから尚更タチが悪い。









でも、それが現実だ。








そんなクソみたいな世界は五条に
予想通りの残酷な選択を残した。










〈 Aを殺すか、Aを騙すか。 〉












五条は、どこか決意を固めているような、
そんな目をしていた。




私に話してきたのは、
託す為か、残す為か、それは分からなかった。















五条がその気になれば、御三家だって潰せる。
最悪、Aを連れて呪詛師にでもなればいい。



それをしないのは、
そこまでしてAが五条を選ぶ確信がないから。

仮にあったとして、


Aは誰かの犠牲の上で成り立つ幸せを
望むような奴ではないから。









だからといってこの事実を伝えれば、
Aは五条を思って離れるのは目に見えていた。









だから、これが唯一残された最善の策だった。

















次の日も、また次の日も。

その日の夜が嘘だったかのように、
五条は普段通りAと恋人を続けた。










私は、見て見ぬふりをした。
















〈 どうしようもない 〉




それだけが分かってしまっていた。

















Aは何も知らず、五条に微笑む。

五条から貰ったピアスが輝る耳は、
真っ赤に染まる度に愛を伝えていた。


















幸せそうな友の姿を見て、可哀想だと思う私は、


我ながらクズだと思った。



















そんな日々が続いた。





どうしようもない日々。

目を逸らし続けて、逸らしていることすら忘れて、
どんどん麻痺していくみたいだった。


















あの日、五条が、


甘ったるい香水を漂わる時までは。



















歪む蒼と泣いた金色→←知る者故の葛藤



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nns - めっっっちゃ好きです!!!!!更新お待ちしてます!!!!! (11月3日 22時) (レス) @page30 id: 65c15343ec (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - またの更新楽しみにお待ちしております。 (8月19日 10時) (レス) @page30 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - お元気ですか? (7月25日 2時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
しま(プロフ) - コメント失礼します!相澤先生の小説からここまで一気読みしてしまいました!夢主くんに対して容赦なさすぎて私の性癖に刺さりまくりで最高でした…!更新、待っていますね!ヽ(゚▽゚︎*)乂(*゚▽゚︎)ノ (5月15日 23時) (レス) @page30 id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
津城瑠生(プロフ) - ぁ、田辺さん好き。八の字に下がる眉頭が俺の住処です。てかこの作品とっても面白いです!!! (2022年11月21日 12時) (レス) @page27 id: 90b7e5739a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おっ腐 | 作成日時:2022年9月1日 22時

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