告白 ページ21
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Aはヴィルの言葉の続きを待った。
「貴女、ただトレイに会ってお礼をするためだけじゃないわよね?」
その言葉を聞いて、Aははっとした。そういえば、最初に門でエレガントな男性教員に言い訳をした時以来、Aがトレイに会う理由を、『命の恩人だからお礼をいいたい』と話していたのだ。
「さすがヴィルさんですね…バレていたとは…」
「アタシは最初から疑ってたわ」
「Aさんトレイ先輩が好きなの!?」
エースがびっくりした声で言った。嘘をついていたことについては申し訳ない。けどそんなにびっくりすることだろうか、とAは思ってしまう。
「私…トレイさんに一目惚れしたというか…いや姿は見てないんですけど、何ていうんだろこの場合…」
Aが一人でそうぼそぼそと話していると、
「告白でもするのかい?」
「そうですね…そうなります。…そうなるのか…ほんとだ」
実を言うと、Aは本当にトレイに会うだけを思って今回賢者の島にやってきたのだ。だがこの状況、彼もAを探し求めている状況からして、愛の言葉を伝えない流れがあるはずがない。
「何も考えてないです。そもそもトレイさんがどんな方なのか、それもよく知らないのに」
「んー。そんなに思い詰めること無いんじゃないすか?トレイ先輩優しいし、普通に伝えたらいいと思いますよ」
「俺もそう思います!」
「ありがとう2人とも…隠しててごめんね」
トレイさん。写真で見た彼は、緑色の短髪にクローバーのスート、黒縁の眼鏡をかけた優しそうな人だった。きっと、彼の直属の後輩であるエースとデュースたちの話は本当なのだろうと、Aは思った。
「さあ、アタシの話は済んだし、さっさと砂浜に行ってきなさい。気付いてないのかもしれないけれど、もう暗くなってるわよ」
ヴィルの言葉を聞いて、各々スマホの時計や腕時計などを確かめると、確かにもう19時を回っていた。
「シェーンハイト先輩は行かないんですか?」
「生憎このあと仕事なの。残念だけど、ここでお別れね」
ここまで支えてきてくれたヴィルが離脱するのは、Aにとって寂しいことであったが、これ以上手を借りるわけにもいかないとも思った。
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さーも(プロフ) - 巫香渚さん» バースデーは比較的来てくれるような気もしますけど推しになるとこないですよね笑ギリギリまで頑張ってください!! (2021年7月29日 21時) (レス) id: 3e0f107a18 (このIDを非表示/違反報告)
巫香渚(プロフ) - おじたんが二十連で…!羨ましいです。私も二十連したのですが、来てくれませんでした.8月1日まで粘るつもりです。 (2021年7月29日 18時) (レス) id: 254cdf7334 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーも | 作成日時:2021年7月2日 21時