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どうやって行くの? ページ22

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「それでー。どうやって砂浜まで行くのー?」

 フロイドが言った。確かに今の時間からバスが出ているのだろうか。いや、彼らなら箒で空を自由に飛び回れるのかもしれない。Aはもちろん海の中に住んでいるので、飛行術は全くできないのだが。

「フロイド先輩、飛行術いけましたっけ。俺たちは一年だしちょっと不安でもあるけど…ルーク先輩は大丈夫ですよね」

「私は問題ないよ。同行しよう」

「オレずっとは無理。アズールよりはマシだけど」

 そういうフロイドの言葉を聞いてアズールが憤慨していたが、同行できるメンバーがルーク、フロイドしかいない中で、空を簡単に飛べる人材はなかなか見つからない。

「あ、そーだ。ラッコちゃんに頼めばいいじゃーん」

「カリムさん…魔法の絨毯ですか?」

「そー。事情話したら乗せてくれそうじゃね?」

 カリム、という新しい名前にまたか…と思っていたAだったが、魔法の絨毯というなんだかワクワクするワードが出てきたことで、そんな些細な不満はすぐに飛んでいった。

「ではフロイド、先にスカラビアに行ってきて下さい。2人は寮にいるでしょうから」

「またね〜Aちゃん」

 そう言いながらひらひらと手を振って、フロイドは先にVIPルームを出ていった。

「じゃあ、こんなタイミングに悪いけど、私もお暇するわ」

「あ…!ヴィルさん、本当にありがとうございました。ヴィルさんがいなかったら今頃私…」

「いいのよ。サイン、送るわね」

「ありがとうございます!」

 ヴィルもまた、手を振ってVIPルームを出ていった。「ヴィルさん、なんていい人なんだ。私もファンになろう」と、Aは思っていた。

「では僕たちはNRCに戻りましょう。もう日が暮れていますから」

 アズールの言葉通り、VIPルームの中にいたときは分からなかったが、そとの海の景色が暗くなっていた。夜になって、光が差さなくなったからに違いない。

「焦るかい?」

「!ルークさん…そうですね、少し焦ります。この景色を見ると」

 NRCへと続くの鏡の前で、ルークはAに尋ねた。Aが目をやったその先には、珊瑚の海の綺麗な景色が広がっていた。
 もしかしたら、もうこの海に戻れないかもしれない。そんなことが頭をよぎる。そんな事を考えていては仕方がないと分かっているのに。

「大丈夫さ。自分を信じて」

「はい。ありがとうございます…」

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さーも(プロフ) - 巫香渚さん» バースデーは比較的来てくれるような気もしますけど推しになるとこないですよね笑ギリギリまで頑張ってください!! (2021年7月29日 21時) (レス) id: 3e0f107a18 (このIDを非表示/違反報告)
巫香渚(プロフ) - おじたんが二十連で…!羨ましいです。私も二十連したのですが、来てくれませんでした.8月1日まで粘るつもりです。 (2021年7月29日 18時) (レス) id: 254cdf7334 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さーも | 作成日時:2021年7月2日 21時

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