(2):目も耳も確かではない ページ2
気が付けば、辺りは暗く、俺は河原でうつ伏せになっていた。
何故か服はブカブカで、立ち上がると少し目眩がしたが、足取りは確かだ。
視界は低く、草花が良く見える。
不思議に思い、少しの恐怖心を抱きながらも、暫く歩いていると、いつも通る道に出た。
角を曲がり、雨の日に利用していたコインランドリー。
そこのガラス張りの壁に写った自分の姿を見て、俺は
そこには、身長が縮み、幼くなった小学生頃の自分の姿が写っていたのだ。
俺はそのまま自宅まで走り、焦りからか、塀に着いたインターフォンを何度も押した。
文句の言葉を呟きながら、不貞腐れた態度で家から出て来た両親に、必死に説明する。
「父さん、母さん!俺だって!__!!」
「嘘おっしゃい!家の__は……!」
そう言い、泣きながら座り込んだ母。
初めて見た母の涙。
だが、それ以上に耳を疑う言葉が聞こえた気がした。
俺が亡くなった。
何故か、俺は亡くなっているのだ。
なら、俺は幽霊なのか?
どうして両親に見えている?
「いい加減にしろ!!こんなイタズラして、悪ガキが!!」
そう言い、俺に怒鳴った父。
それも初めての事だった。
俺はまだ混乱した頭のまま、その場から走り去った。
俺の目は、耳は、頭は、可笑しくなってしまったのだろうか。
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shinobo(プロフ) - なんて私得なんでしょうか (2019年7月23日 21時) (レス) id: b607d0f086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サラン | 作者ホームページ:http://uranai.
作成日時:2017年3月23日 22時