ねぇ、ダーリン！【りぶ】 (ページ29)

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好き　２３ページ29

「っただいま～・・・」

「お帰りなさ～い！」

俺が疲れ気味で、そう言うと、Aが隣で返してくれた。

「ただいま」

「お帰り」

次に、Aが言い、俺がそれに返す。

二人で帰ってきた日には、いつもこれをやる。

お帰りって返してくれる人が居ないのが寂しいね。

って話をしていたらいつの間にか出来た、家のルールだ。

「うーん。やっぱり、家はいいねー」

「今まで行ってたのは、Aの家だろ？」

ソファに、飛び込むAを見て、思わず呆れている声が出た。

「んー？でもね・・・」

そこで区切って、こちらを見るA。

「なんか、最近はこっちの方が〝自分の家″って感じがするかな」

変な話だね。なんて、クスクス笑ってるA。

俺と暮らしてる事に慣れたって事？

「それって、さ・・・」

「何ー？」

「・・・いや、なんでもない」

「えっ！気になるよ、りぶくん！？」

「言わない」

「ええー！」

りぶくんは意地悪なフレンズなんだね！なんて、どっかのアニメのセリフに似たような事を言ってくるので、

「痛い痛い！ごめんって、りぶくん！！」

とりあえず、頭グリグリの刑で。

『それってさ』

この言葉に続く言葉を言えば、

君は照れてしまって、きっとしばらく口を聞いてくれないだろうから。

だから、言わないんだ。

“なんだか、家族っていうか、夫婦って感じするね。”

本当の“夫婦”に、なりたいね。

思わず、口から出そうになったその言葉を、飲み込む。

違う、なりたいじゃダメだ。

「なろう」

「え？何に？」

Aはいつも家でする、リラックスした体制でテレビを見ていた。

「んー？俺達が、将来的には、絶対なるもの」

「え？ユニット組む？？」

「いや、もうあるようなモノでしょ？」

「正式じゃないし」

あー、確かに。

「じゃあ、ユニットの話って事で」

「適当ですね、りぶさん」

「いーじゃないですか、Aさん」

ふにっ、Aの頬を突く。

「ユニット名、何にする？」

「面倒だから、Aが決めて」

「やる気あるの、りぶくん」

「苦手なの、そーいうの」

そう言いながら、Aの隣に座ると、軽くだが、頬をつままれた。

「仕方ないなー。私が、考えてあげようぞー？」

「ありがたやー」

「棒読みは、感心しないぞ」

「とりあえず、手、離して」

「はーい」

あ、何か幸せ。

「うーん。面倒くさいからユニットやめよ？」

「結局、Aも面倒くさがってんじゃん」