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好き 13 ページ16

告白された時。

それは、生きてきた中で一番驚き、嬉しかった出来事なんじゃないだろうか。

何故かというと、私にとって、りぶくんは初恋の人な訳であって。

“初恋は叶わない”

そんな言葉があるくらいだから、叶うこと無く終わると思っていた。




そんな訳で。

好きと気づいてからも、友達として接するのを心掛けていた。

「すっごく普通にはしゃいでだけど、」

そこで区切って、こちらを見たりぶくん。

「デート、みたいだったね。今日」

そう言って、笑った彼の顔にドキッとしたのは、やっぱり彼に惚れているから。

「そうだね。遊園地行っちゃったもんねー」

私も、笑い返しておく。

デートみたい。って、何回も思って。

その度に、ドキドキしたのは内緒だ。

「行きたいって、行ってたからね。楽しんでもらえて良かった」

ホッとした顔をするのが、何故かは分からないけれど。

覚えてくれてたんだ。私の言葉。

その事に嬉しくなった。


「あ、そうだ」

りぶくんが、急に立ち止まってそう言った。

「これから時間あるかな?」

「あるよ。・・・どうして?」

「ちょっと、寄り道しよ」


昼下がりの、少し暮れきた空。

それくらいの時間帯に、私たちはまた歩き出した。




「とーちゃくっ。」

「おお、大分遠いところまで来たね」

きっと、ほって帰られると私は帰れない。

最近、市街地に慣れてきた所だからね!


「・・・公園?」

そして、着いた所は公園だった。

「こっちまで、来て」

りぶくんが、そう言って手招きするので近寄ってみる。

「おぉ、綺麗・・・!」

りぶくんの隣の位置に行くと、そこからは、夕焼けに染まった街が見えた。

夕焼けに染まった街は、なんだかとても幻想的で。

「どう?すごいでしょ」

自慢げに笑っている。

「うん!一曲出来そうなくらい!」

「さすが、ボカロP・・・」

ちょっと呆れたように返される。

しょうがない。

最近は、またCDを出すことになって、新曲を作る事をずっと考えているのだから。


「それで・・・さ、」

何故か、急に歯切れが悪くなるりぶくん。

「?どうしたの?」

何か覚悟ができたような表情で、真剣に見てくるので、私も真剣な表情になる。

「言いたい事が、ずっと、あったんだ」

すぅ、と息を吸い込んだ音。

二人の間を風が通り抜けて行く。




「好きです。頼りないかもしれないけど、俺と付き合ってください」


「はいっ!」




シンプルで、りぶくんらしい告白だった。

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オクミヤ(プロフ) - 月の人さん» も、もういっかいやってみる…(白目) (2017年1月31日 21時) (レス) id: 043b93dad3 (このIDを非表示/違反報告)
月の人(プロフ) - オクミヤさん» いや、来てないな(真顔) (2017年1月31日 21時) (レス) id: db3d4350bf (このIDを非表示/違反報告)
オクミヤ(プロフ) - 月の人さん» お、送った…(・ω・`)ど、どうかな…?///← (2017年1月31日 21時) (レス) id: 043b93dad3 (このIDを非表示/違反報告)
月の人(プロフ) - オクミヤさん» うん、待ってるわ!私、待ってる・・・!← (2017年1月31日 21時) (レス) id: db3d4350bf (このIDを非表示/違反報告)
オクミヤ(プロフ) - 月の人さん» なんと!wそれはとてつもなく解らんぜベイベーやな…(・ω・`)もっかい送ってみるね! (2017年1月31日 21時) (レス) id: 043b93dad3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月の人 | 作成日時:2016年2月11日 22時

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