第３０話 ページ33
第３０話
「Aちゃん、こんばんは」
「こんばんは…緑谷さん」
８月になり昼間は暑いけど夜は少し涼しくて過ごしやすい。今日は仕事が早く終わった焦凍さんが、緑谷さんを家に連れてきていた。
何やら２人とも沢山荷物を持っていて、私が首を傾げると「仕事でいい肉貰ったから…今日はすき焼きにしようと思って、量も多いし緑谷を呼んだ」と焦凍さんが説明してくれる。
そういう事だったのか。
「ごめんね、お邪魔します」
「いえ…人数が多い方が楽しい、と思うので」
「ありがとう。これ、お土産」
そう言って緑谷さんが私に差し出したのは、かなり立派なスイカだった。凄いな…と思いながら「ありがとうございます」と受け取ってみるものの、重たくて思わず落としそうになる。
すると焦凍さんが私からスイカをひょいっと片手で奪い「俺が持っていく」とキッチンの方へ向かった。
流石男の人…いや、現役ヒーローと言うべきか。あんなに軽々と持つなんて。
それから焦凍さんはキッチンで具材の準備をし、私と緑谷さんはリビングで鍋の準備をしていた。
「よし、これで大丈夫かな」
「……なんかこういうの、初めてです」
「Aちゃん…？」
「皆でご飯を食べるとか…そういうの」
「ふふっ、これからもっと沢山していこうね。だから僕の事も気軽に色んなことに誘ってよ」
「………はい、ありがとうございます」
ちょっと嬉しくて自然と頬が緩む。
すると緑谷さんが「あっ、そう言えばさ」と何かを思い出し口を開いた。私は首を傾げながら緑谷さんを見ると、彼は優しく微笑みながら続きを言う。
「さっき近くの電柱にポスターが貼ってあったんだけど、もうすぐこの近くの神社で夏祭りやるんだってね」
「え……そうなんですか？」
「あんまり大きな感じじゃなくて、地元でやるお祭りって感じだろうけど…行かないの？」
「……いえ、特にそう言うのは」
知らなかったし、お祭りなんて行ったことがない。私が俯いてそう答えると「じゃあさ！」と緑谷さんがニッコリ笑う。
「少しでも興味があるなら、轟くんと一緒に行ってみたら？」
「え…？」
「Aちゃんが誘えば、轟くん喜ぶと思うよ」
緑谷さんの言葉にキョトンとしていると、焦凍さんが「具材の準備出来たぞ」とリビングに戻ってきた。
私が誘う、か…。
．
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なんだよたけしビビってんのか(プロフ) - 全作品絵が本当に美しくて初めて絵で感動しました。また伏線が所々あってその上感動するなんて天才... (2021年5月23日 2時) (
レス) id: dfdea40777 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - タイトルの絵もなんかアニメ「ＰＳＹＣＨＯ-PATH」に絵柄が似てて感動。しかも、物語にもなんか感動した。 (2019年9月14日 0時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 終わり方最高です……！泣いた (2019年4月13日 21時) (レス) id: 4ab93c79dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾌｧｱｱｱｱ(プロフ) - 絵がちょくちょく入ってくることによりなんか映画のワンシーンでも見ている気になりますね (2018年9月8日 15時) (レス) id: 01f6b2b9ab (このIDを非表示/違反報告)
トミ - すごく吸い込まれるようなお話で…次を読むのが楽しいです。 (2018年6月30日 23時) (レス) id: 3237980cf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月29日 17時
