第５０話 ページ10
第５０話
「素晴らしい部屋だろう？」
「…………こ…これ、本物の生首？」
「当たり前だ、本物じゃなきゃ価値がない。俺は昔から赤い物が好きでな、男だから女も好きだ。特に穢れを知らない10代の女が。赤と10代の女…俺が好きな物を両方合わせ持った奴を見ると欲しくて堪らなくなるんだ」
確かに見てみれば女子高生と思われる生首の全ては、どこかしら赤い。髪の色や目の色、肌の色。だからって人間をコレクションの様にするなんて。
ゾッとしてしまい血の気が引いていく。
「斎藤、お前の事は学校に入学してきた頃からずっと気になってた。他の赤とはどこか違う、何にも染まらない様な赤い目。その目を見てると不思議な気分になれてよぉ」
じりじりと距離を詰めてくる先生に、私はハッとして後退るがトンッ…と背中が壁にぶつかりこれ以上背後へは行けない。
先生のゴツゴツとした手がスルリと私の頬に添えられる。そして親指でそっと私の目元を撫でると、先生はまたニヤリと笑った。
「最高の作品にして、一生愛でてやるからな」
「っ……なんで、こんな酷い事を」
「好きな物なら集めたくなる、知りたくなる。入れ込むのは当然の感情だろ？」
好きな物や事柄には夢中になる、私にはその気持ちが分からないけど、人間とはそう言うものなんだろう。
好きなスポーツがあれば上手くなりたいと夢中になる、好きな本があれば集めたくなる、好きなヒーローがいれば憧れる、好きな人がいれば知りたくなる。
でも、だからって人間の命を道具のように扱うなんて。先生は完全に異常者、サイコパスだ。
「安心して死んでいいぞ、お前の赤は他のより何倍も綺麗だからな…特別なケースに入れて一番目立つ所に飾ってやるから」
そう言うと先生は「さて…首を切り落とす道具持ってこなきゃなぁ」と部屋を出ていく。カチッと鍵を閉めるような音がして、完全に閉じ込められてしまった。
焦凍さんは電話で先生の事を聞いてきた。だからさっき先生が言った通り、警察やヒーローは先生が犯人だと突き止めたんだろう。
此処が先生の家なら、バレてるんだから警察に突入されていてもおかしくない。それがないって事は…もしかしてココは先生の家じゃないのかな。
恐らく先生がこの趣味の悪いコレクションをする為の作業場だ。ここに警察が来ないって事は、ここはまだ警察も知らない場所。
つまり、誰も助けは来ないってこと。
「………死ぬ」
．
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風鈴 - 誤字ってますが気にしないでください。「いままだ」になってますが正しくは「いままで」です！すいません。 (2021年11月27日 23時) (
レス) id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
風鈴 - めっちゃ好きです！イラストもとても好きです!!何時もつづきをわくわくしながら見させてもらってます。あと、他の作者様に失礼なのですが、いままだ見て来た小説でこの作品がいちばん好きです。勿論他の方の作品も大好きです！長文失礼しました。 (2021年11月27日 23時) (レス) id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
花 - シリアスの中にも"愛"が詰まってる感じで良き (2021年5月19日 20時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
ひめたん - 好み過ぎる (2018年9月5日 23時) (レス) id: 6ef00c8f07 (このIDを非表示/違反報告)
ららら(プロフ) - 絵が、！！！すごい好みです！！！漫画書いてほしいくらいです、、笑頑張ってください！！ (2018年6月18日 17時) (レス) id: 67811c0872 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年6月3日 18時
