第６１話 ページ21
第６１話
「あ、あの…ありがとうございました」
「いいっていいって」
最初はわざとガン無視されてんのかと思ったけど、と笑いながら言う金髪の彼。あの後直ぐにサラリーマンの男は駅員さんに引き渡された。
男性は駅員さんに怒られながら「いけない事と分かってはいたが、日々の生活にストレスが溜まっていて女子高生の私を前に…もう“我慢できなかった”」と言っていたらしい。
なんか…久しぶりだな、そのセリフを聞くのは。
目の前にいた女子高生が私でなかったら、あの男性は罪をおかす事もなかったんだろうか。それは結局謎のままだ。
「えっと…それで、あなたは」
「あ、自己紹介まだだったか。俺が一方的に知ってるだけだったもんな。俺は上鳴電気、轟とは学生ん時の同級生でこの前たまたまお前の事見かけてさ」
「そうだったんですね。斎藤Aです、助けてくれてありがとうございました」
「いやもうそれはいいって。俺も、ヒーローだからあんなとこ見たら放っとけねぇし。ていうか怪我とかしてねぇの？大丈夫か？」
「特に怪我とかは何も…あえて言うなら体が動かないから瞬きも出来なくて、目が少し乾きました」
「なんかズレてねぇ！？その発想！！」
上鳴さんは明るい人だ。
焦凍さんと同級生ってことは、緑谷さんとも同級生なのか。確か爆豪さんも同級生だったような。皆性格も雰囲気もバラバラなのに知り合いって凄い。
「で、轟の彼女さんは今から学校だろ？」
「え？彼女じゃないですよ」
「嘘だろ、まだなのかよ！！」
「轟のやつホント信じらんね〜」と何故か落ち込んでいる上鳴さんに私は首を傾げている。どういう意味だろう。
というか、そもそも…
「私達は家族ですから」
「お前も轟みてぇなこと言うんだな」
確かに焦凍さんは男性として見てもカッコイイ人だと思う。世間の女の子達が騒ぐのも、分からないでもない。
でも私は、男性としてじゃなく家族として焦凍さんと出会ったから…そういう目で見るという概念がなかった。
「まあ他人の人間関係にとやかく言うのも野暮だろうから、あんま口出ししねぇけどさ…一応気をつけといた方がいいぜ」
「え…気をつけるって？」
私が首を傾げると上鳴さんは悪戯っぽく笑った。
「轟も、男だぞってこと」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
風鈴 - 誤字ってますが気にしないでください。「いままだ」になってますが正しくは「いままで」です！すいません。 (2021年11月27日 23時) (
レス) id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
風鈴 - めっちゃ好きです！イラストもとても好きです!!何時もつづきをわくわくしながら見させてもらってます。あと、他の作者様に失礼なのですが、いままだ見て来た小説でこの作品がいちばん好きです。勿論他の方の作品も大好きです！長文失礼しました。 (2021年11月27日 23時) (レス) id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
花 - シリアスの中にも"愛"が詰まってる感じで良き (2021年5月19日 20時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
ひめたん - 好み過ぎる (2018年9月5日 23時) (レス) id: 6ef00c8f07 (このIDを非表示/違反報告)
ららら(プロフ) - 絵が、！！！すごい好みです！！！漫画書いてほしいくらいです、、笑頑張ってください！！ (2018年6月18日 17時) (レス) id: 67811c0872 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年6月3日 18時
