じゅうはち 及川side ページ19
まだ数日しか経っていないというのに、いつも通り、なんて言いたくなる鬼ごっこ。
Aもどんどん逃げ足が早くなっていて、姿を見ることなく帰られる日も出てきた。
下駄箱で待ち伏せをしようにも上手く人混みに紛れたり、校内で時間を費やして部活の時間まで粘られたりする。
こうなってしまっては奥の手を使うしかない。
事前に岩ちゃんに頼んでおいたことを実行する日が来た。
今まで1度もこの状況に踏み込んで来なかった岩ちゃんが突然現れれば、Aも多少は動揺するはず。
Aが遠回りをして帰る時によく通っていく場所を伝え、先回りしてもらうことにした。
多少なりとも動揺してくれることを信じていつも通りAが行った方向を聞きながら進んでいけば、岩ちゃんを前にして動揺しているであろうAの後ろ姿が見えた。
よかった、やっぱりAはそこまで薄情にはなれないんだね。
お前はやっぱり、優しいんだ。
今まで俺に追いかけ回されていた状況に一切関わってこなかった岩ちゃんがAに頭を下げれば、Aはさらに動揺して動けなくなる。
もし冷静になってその場を離れようとしても捕まえられるよう、俺は少しずつAの後ろから歩み寄っていく。
「…わ、かった」
「「！」」
わかった？
わかった、って言った？
話を、聞いてくれる？
Aの言葉に驚いた岩ちゃんもつられて頭を上げると、Aはぎゅっと両手を握りしめながら意を決したように深呼吸した。
「聞くよ、ちゃんと…もう、逃げない」
その言葉を聞いた岩ちゃんが安心したように笑えば、Aは肩の力が抜けたのかしゃがみこんでしまう。
その背中がやけに小さく見えて、俺は声をかけることなくAの背後まで歩み寄った。
この背中が背負っているもの。
この体が苦しんでいるものを、全て暴いてしまいたくなる。
でも、今は慎重に。確実に。
「…A」
「！お、いかわ」
「辛いかもしれないけど、聞いてくれる？」
「…あぁ」
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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー！ありがとうございます！直しときます！！！ (2023年4月28日 17時) (
レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね！ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (2023年4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと！？ありがとうございます！！今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ！！！ (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ありがとうございます！！！！！！！！！！！！！！ (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2021年5月21日 18時
