いち 及川side ページ2
「国見ちゃん！金田一！お前たちは来ると信じてたよ〜！」
高校生最後の年、今年こそはウシワカに勝つ。
その為にも、成長して来たであろう国見ちゃんと金田一の力は必要不可欠だと思っていた。
北一出身のバレー部員の殆どは青葉城西に来るのが定石。
案の定、二人はここに来てくれた。
歓迎ムードの中、国見ちゃんと金田一は何かを探すように視線をさまよわせる。
その仕草は俺にとって予想通りでしかなくて、苦笑いすらもできない。
「あの」
どれだけ探しても見つからなかったのだろう。
少し言いづらそうにしながら、国見ちゃんはまっすぐ俺を見つめてくる。
「…なに？」
「網張さんは、休みですか？」
「……うん」
休み。
まあ、休みといえば休みだろう。
Aはまだバレー部に在籍してる。
退部届けは渡されてるけど、破り捨ててあるから。
「Aはね、いつか戻ってくるから」
「いつか、って、どういうことですか」
「…あいつは一年の時のＩＨで膝を故障した」
いつか、って言葉に疑問を抱いたらしい国見ちゃんの問いに答えたのは俺ではなく岩ちゃんだった。
そっか、もう二年前になるんだ。
一年生にして技術を買われたAはＩＨからスタメンとして試合に出ていた。
俺も惚れ惚れするほどの綺麗なトスや岩ちゃんが敵わないと言い切るスパイクは青城バレー部に大きく貢献した。
貢献したからこそ、あの悲劇は起きた。
驚くほど大きな音を立てて倒れ込み、救急車に運ばれていくAの姿は今でも鮮明に思い出せる。
…お前のバレーが恋しいよ、A。
「え、じゃあもしかして」
「あぁ、それ以来あいつはここには来てない」
「学校には来てるんですか…？」
「もちろん。元気にしてるよ。運動は一切してないみたいだけど」
心配そうにおずおずと聞いてきた金田一は俺の返事を聞いてほっと息をついた。
膝の故障なんて運が悪ければ日常生活すらも難しくなる。
一切運動をしていない辺り完全に日常生活に復帰出来ている訳では無いようだけど、この間話した感じからして駆け足程度なら平気みたいだった。
…そう、話せてる。
俺たちは一切避けられてないし、話しかけてもくれる。
ただただ、バレー部にだけは戻ってこようとしない。
その距離感が、俺たちを困らせるんだ。
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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー！ありがとうございます！直しときます！！！ (4月28日 17時) (
レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね！ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと！？ありがとうございます！！今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ！！！ (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ありがとうございます！！！！！！！！！！！！！！ (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2021年5月21日 18時
