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よん ページ5

「で、どうだった」
「…うん、まだだめみたい」



ふるふると首を横に振りながら答える及川に岩泉は小さくため息をついた。

Aが怪我をしてから二年という月日が経ち、日常生活も難なく送れている姿を見てきた。
というのに、どうしてAは戻ってこないのだろう。と話し合ったのだがどうしても納得のいく答えが出ず、もう一度及川が持ちかけてみてもいいのではないかという結論に至ったのだ。

しかし結果は惨敗。

ピシリと固まってしまう姿を見た以上、見るだけでもいいからなんて言葉を向ける気にはなれなかった。



「バレー、嫌いになっちゃったのかな」
「嫌いになったってんなら及川の誘いもスッパリ断りそうなもんだけどな」
「だな、それにあいつこの間月バリ買ってんの見たし」
「え!マッキーそれ本当!?」



噛みつきそうな勢いで聞き返す及川に、花巻はこくりと頷く。
その後に話しかけたらしいが特に様子がおかしくなったりもしていなかったと言う。
つまりは、バレーを拒絶している訳でも、拒絶しているように見せかけたい訳でもない。

なら、一体どういうことだろうか。

さらに深まる謎に一同は首を傾げる。



「せめて最後の一年は、って思ったんだけどなぁ」
「長いことバレーやってねぇこと考えれば今すぐにでも戻って来てもらいたい所だが…あいつの気持ち次第だな」
「うん…俺ももうちょっと粘ってみる」



及川の言葉に頷くのは岩泉だけでなく、花巻と松川も同様だった。
Aの同級生である四人はAが怪我をするその瞬間を目の当たりにしている分、もう一度同じコートに立ちたいという気持ちは強いのだ。
誰も悪くない。
ただ少し状況が悪く、着地に失敗し、さらには不幸が重なっただけ。

どうにかして、戻って来れないその理由を知ることが出来れば。
そう考えた及川はギュッと手を握りしめ、コートを真っ直ぐに見つめた。

コートの上に立つ彼の姿をもう一度見たいと願うのは、その傍に立ちたいと思うのは、及川一人じゃない。

ご→←さん 夢主side



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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー!ありがとうございます!直しときます!!! (2023年4月28日 17時) (レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね!ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (2023年4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと!?ありがとうございます!!今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ!!! (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!! (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2021年5月21日 18時

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