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じゅうよん ページ15

学校中にチャイムの音が響き渡る。
それと同時にすぐに帰る生徒もいれば部活に向かう生徒や教室に残って雑談を始める生徒もいる中、及川は廊下にいる生徒たちの間を縫って進んでいく。
向かう先はもちろん、昨日不本意ながら影山によって現状を把握することができたAの所属するクラス。
行く先にいる生徒たちに「ごめんね」と声をかけながら通っていく。

なんとか人混みを抜けたあと、Aのクラスを覗き込む。
できるだけ早く来たはずだがその姿はない。
入口すぐそばにいた男子生徒に声をかけてAの所在を尋ねれば、つい先程出ていってしまったという。
元々約束をしていなかった手前、先に帰ってしまっても文句は言えない。
だが出て行って間もないなら追いかければ会える。
及川は男子生徒に礼を述べると、再び生徒たちの間を縫う様に歩き始めた。
向かう先はもちろん校門だ。



「まだ出てないといいけど…」
「何が?」
「Aだよ。…て、え?」



突然かけられた問いに当然のように答えた後、及川はその声を知っていることに気づいた。
声がした方へ振り向けば、そこにはキョトンとした顔で立っているAがいた。
肩にはスクールバッグがかかっており、男子生徒が言った通り帰ろうとしていたようである。



「俺?なんか用でもあった?」
「A!今日このあと時間ある?話したいことがあるんだ」
「話…?」



キョトン、とした顔から一変。
Aは訝しげな表情を見せた。
話したいことがある、と言ってわざわざ呼び出されたことは今までの一度もなかった。
というのに、昨日の今日でこのような呼び出しをされればAも怪しく感じるのは仕方の無いことだ。



「それ、もしかしてバレーの話?」
「え?あ、うん。そうだけど…」
「…じゃあ無理かな。ごめん、また今度にして」
「えっ?」
「そういうことだから。また今度ね!」
「えっ?!A!?」



まさか断られるとは思っていなかった及川は呆然と立ち尽くす。
“じゃあ”とわざわざ断ったということは、バレーの話でなければ聞いてくれたのだろう。
そんな断り方をして、次に声をかけて話を聞いてくれるだろうか。
否、きっとAは何らかの理由をつけて断ってくるはず。


つまりは、だ。



「鬼ごっこってこと?いいよ。付き合ってあげる」

じゅうご→←じゅうさん



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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー!ありがとうございます!直しときます!!! (2023年4月28日 17時) (レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね!ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (2023年4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと!?ありがとうございます!!今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ!!! (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!! (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2021年5月21日 18時

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