目の見えない小生の妹

ずっと仲間 ページ35

「あ、そうだ。僕気になってたんだけどさ、今サクラチャンって何してるの？」

帰り道に突然桜のことを聞いてきた乱数

「信頼のある人に預けてます」

「それ、誰だよ」

「その人にサクラチャンとの仲良くなる秘訣教えてほしーい」

誰か言ったらあなた達怒るでしょう

「昔から良くしてくれている人です」

「濁したな!!」

「誰誰〜」

「考えてみてくださいよ」

考えたら出てこなくもないが当たる可能性は低い

「あぁ、ちくしょう、全然出てこねぇ」

「あ、後々僕がもう一個気になってた事。なんでサクラチャンの前では嘘つかないの？」

……とうとう来ましたか

でも答えてはいけない

秘密がバレる

「約束したんですよ」

遠からずの答え

嘘はついてない

「サクラチャンの前では嘘つかないっていう約束？」

「……そうです」

実際には少し違いますけど

……その話をこれ以上突っ込まれると何を言ってしまうか分からない

話をずらさなければ

「して、帝統。今日も賭場に行くのですか？」

あからさまな話の変え方

でも2人とも分かってくれたのかこれ以上小生の話を聞くことをやめてくれた

いい人たちだ

本当に

「もちろん行くぜ」

「そしたらまた負けちゃうよ？」

「そして潰れてしまう」

「潰れるのはまだしも負ける前提はおかしいだろ!!」

乱数の事務所までたわいのないことを喋りながら着いた

「それでは小生は帰りますね」

「俺も賭場に行ってくる!!」

「2人とも、ばいばーい」

がちゃんと扉が閉まれば小生と帝統の行く方向は反対側なので直ぐに帝統とも別れる

「それでは、存分に負けてきてください」

「絶対に勝ってやる!!」

ずっと仲間、ですよね

少し感傷に浸っていたら時計が目に入り少し慌てた

家に桜が待っている

それにもう少しで先生も帰られる

あの壊れかけの賭場まで行ったから少し遅れてしまった

急がなければ

小生は桜と先生がいる家に歩を早めた

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