目の見えない小生の妹

ショッピングモール ページ2

小生の妹、桜は人が苦手だ

生まれつき目が見えず、色に溢れた世界を見た事がない

目が見えないせいで今までいろいろあり、いつしか人が苦手になってしまった

そんな桜でも少し、気を許している人達がいる

小生のPOSSE、乱数と帝統だ

ちなみに今、一緒にいる

「ねぇねぇ桜チャン!!欲しいものな〜い？ボクに言ってくたらなんでも買ってあげるよ!!」

今日は桜と一緒にショッピングモールに来た

なんでも乱数の新作アイテムが出るから行きたいとの事

なんで自分の作ったものを見たいのか小生には分かりかねますが

桜はと言うと小生の服の袖をつかみながら帝統とお喋りをしています

「また、負けたんだ」

「そうなんだよ〜桜、どうしたら勝てると思う?!」

「……分からない」

桜が乱数を無視して帝統と話していると少し前を歩いていた乱数がこちらに向かってきて

「桜チャン!!帝統とばっかり喋ってないでボクともお喋りしよｯ」

乱数も横並びになり、わちゃわちゃ喋っているとショッピングモールの真ん中まで来た

ここで乱数の新作アイテムが特設コーナーで販売されてる

乱数の新作となるとたくさんの人が集まる

「……怖い」

そう桜が言うと服の袖をギュッと掴んで手が震えていた

「大丈夫ですよ。小生はここに居ますから」

桜の手をそっと握ると震えはおさまった

「こっちこっち〜」

乱数が元気に手を振るそこには乱数のファンでごった返していた

「あぁ……どうする？行くか、桜」

「行きたいけど、やめとく」

「帝統だけでも言ってきてください」

「んじゃ、俺行ってくる!!」

そう言うと帝統は凄い勢いで乱数の方に向かっていく

「私此処で待っとくから、幻にぃも行ってきなよ」

「いえ、小生は桜が心配ですから。桜の性では無いですよ」

「1本取られた」

「何年一緒にいると思ってるんですか。桜の考える事ぐらい少しは分かりますよ」

ギュッと手を掴んで離れないように特設コーナーから少し遠い所へ行く

桜は人並みの中でもふらつくことなくまっすぐに歩ける

感覚らしいが小生には出来ない

3兄妹→←プロフィール

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す