一生推し…？！【江口拓也】

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『んふふ、おふとんいいにおいする…』

「なんか恥ずかしいからやめろ」



急にAの声のトーンが変わった
そろそろ寝るかな？

俺も眠くなってきた



『ん〜…えぐちさ…すきれすよ…』


「…ありがと」



酔っ払ってもヲタクって…
もう尊敬するわ…


こうやって言葉にされると少し恥ずかしいけど、
悪い気はしない


なんだか今日は色んなAを見た気がする

まさかここまで酔うとは…


『いまのすきはぁ、いつものすきじゃない…です…』



そう言いながら、
気付けばAは規則正しい寝息を立てていた



「…ちょ、どういうこと」



いつもの好きと違うって何…？！

これだから女の子は難しい…



でも、そう言われて心做しか
体温も、心拍数も上がっている自分がいた





俺の服を着て恥ずかしそうにしていたA

美味しい美味しいって言いながら食事をするA

ちょっとした事ですぐ赤くなるA





普段見ない表情のAが頭をよぎる


俺って結構こいつの事…



色んな考えが頭を回る

俺がこんなに悩んでいるのに
隣でぐっすり寝ている悩みの種の張本人



男の部屋なんだからもう少し危機感もてよ…



余りにも安心しきった顔で寝ていて
少し呆れる


「ま、いいか…」



考える事に疲れて
今日はもう寝ることにした




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