絶賛、アプローチされ中。3【千切豹馬】

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この家のもう一人の住人。


｢豹馬、髪、濡れてる｣


｢うん、Aが乾かして｣


私の隣に座ると適当にテレビをつける豹馬。


｢やぁだよ、今の私にできることなんてこの世界を愛で包むことだけだもん｣


｢割と何でもできるだろ｣


そして録画した試合を流しながら足のケアを始めた。


｢綺麗な足だね｣


実は私、豹馬の右足の手術痕をなぞるのが好きだったりする。


豹馬をここまで連れてきてくれた相棒に感謝と労いを込めて、すり、となぞるんだ。


｢後でマッサージしてやるよ｣


｢うわ、めっちゃ浮腫んでるから助かる｣


｢だから俺の髪乾かして｣


｢それが狙いか｣


まあ別にいいけど。


豹馬と話して部屋着に着替える元気がチャージできた。


その足でキッチンに向かう。


｢何食うの｣


｢んー、サラダ｣


休日や私の帰宅が早い日は私が作る時もあるが、豹馬は基本的に専属シェフが作った物を食べる。


適当に盛ったサラダとスープを食卓に並べる。


足のケアを終えた豹馬が、対面に座り私の食事姿を見る。


何が楽しいのかはよくわからない。


｢美味い？｣


｢うん、美味しい｣


｢一口ちょーだい｣


｢やだ｣


｢ケチ｣


｢お金はあるもん｣


｢俺の方が稼いでる｣


｢プロサッカー選手うざすぎか｣

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