絶賛、アプローチされ中。3【千切豹馬】

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U-20は後半、選手を1人交代させてきた。


そして開始数分で糸師冴のアシストから同点ゴールを決めた。


2人のセットプレーに会場中が大歓声をあげる。


パスカットに向かった豹馬には悪いが、今のゴールには拍手を送ってしまった。


既に4得点決まったこの試合の勝敗は全く予想がつかない。


ワクワクしながらリスタートを待っていると、青い芝生に座り込む豹馬が見えた。


＿＿ねぇ、なに、どうしたの？


"あの瞬間"がフラッシュバックした。


だけどその数秒後、11番に足を伸ばしてもらう光景に少し安堵した。


足つっただけ…？


その直後、会場の大画面が豹馬と13番の交代を知らせる。


ベンチへ下がる彼の表情は見えなかった。


恐らく豹馬のスプリント回数はチームでも最多。


それゆえのスタミナ切れ。


伊達にスポーツをやってた身じゃない。


自分の経験と照らし合わせて無事であることを祈り、ここまでのプレーの賞賛を送る。


｢…お疲れ様、豹馬｣


次は最後まで戦う姿を見せてね。


試合リスタート後、新たに得点を決めたのはまたもやU-20の13番。


P･A外からのオーバーヘッドの劇的ゴール。


ブルーロックは逆転を許してしまうが、9番に代わり13番が投入され同点ゴールを決めた。


迎えるクライマックス、同点でもつれ込んだA･Tは1分。


勝負の行方を見たい気持ちとは裏腹に、この最高な時間が終わってほしくないとも思った。


糸師冴と糸師凛の兄弟対決。


この試合で初めて、弟が兄を凌駕した瞬間だった。


放物線を描いたボールは、潔世一(11番)の元へ吸い込まれる。


ダイレクトシュートがネットを揺らす。


現実に引き戻されるようにホイッスルが鳴った。


U-20日本代表 対 青い監獄(ブルーロック)、3-4で試合終了。

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