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"よ、久しぶり"
そう言ってバツが悪そうに笑う彼。
会いたかった、話したかった。
数ヵ月分の感情が込み上げてくる。
｢隣いい？｣
首をこくんと縦に振ると、ありがと、と隣に腰を下ろした。
｢元気にしてたか？｣
｢…うん｣
｢そっか｣
彼がこんなにも近くにいる。
それだけでこんなにも嬉しいなんて知らなかった。
目元に残る水滴を拭って言葉を振り絞る。
｢千切は？元気だった？｣
｢…もう、"豹馬"って呼んでくんねーの？｣
私だって呼びたいよ。
だけど、その名前を呼んで君が返事をしてくれるだけで、私の気持ちは止まらなくなる気がするから。
｢呼んでよ、A｣
そう言って私の右手に自分の左手を絡めてくる。
｢…ずるいんだよ……豹馬はさ｣
｢うん｣
｢…豹馬が、振ったんじゃんか…｣
｢うん、ごめんな｣
とめどなく溢れる涙が制服にしみを作っていく。
私達を繋いでいる豹馬の手がたまらなく愛おしい。
｢ずっと、好きだったの…｣
｢うん、俺も好きだった｣
｢…好きすぎて、苦しかった…ずっと、傍にいたかった…｣
｢俺もって言いたいけど、サッカーを選んだのは紛れもない事実だから、ごめん｣
ううん、違うよ、謝らないで。
私もそうだったの。
サッカーは豹馬の人生そのものだって、ちゃんとわかってるよ。
｢俺さ、もうすぐ東京に行くんだ｣
｢…そうなんだ｣
｢そこはなんでって聞けよ…って、昔こんなやり取りしたよな｣
｢うん、わざと｣
｢変わってねーのな、お前は｣
呆れているようにも、安心しているようにも見える顔で笑う豹馬。
ふと周りを見渡すとあの黒猫はいなくなっていた。
｢それで、どうして東京に行くの？｣
｢JFUから強化指定選手に選ばれて、その合宿に参加してくる｣
気を抜いたら出てしまいそうだった涙が一瞬で止まった。
すごい、より、嬉しい気持ちが勝った。
詳細はわからないけど、豹馬が夢を取り戻した。
前を向き始めている証だと、感動で胸が熱くなった。
言葉が出てこない私に、Aはさ、と彼は申し訳なさそうに続けた。
｢夢を諦める理由を探しにいくって言ったら、がっかりするか？｣
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にいな(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます!!何卒最後までお付き合い下さい〜!!♡♡ (4月12日 2時) (
レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - すごく面白かったです!頑張ってください！サイコー！ (4月8日 20時) (レス) @page1 id: 2b4aba0b1a (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - 由衣さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます🥰これからも頑張れます👊🏻 (2023年4月11日 20時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
由衣 - この作品大好きであります…‼︎尊い…これからも更新楽しみにしています！ (2023年4月10日 16時) (レス) id: ddafeb5c63 (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - うなぎポテトさん» お気遣いありがとうございます🙌🏻これからも頑張ります‼️ (2023年3月30日 20時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にいな | 作成日時：2023年2月2日 18時
