つばさと感情の石達第三章 (ページ49)

今日:8 hit、昨日:9 hit、合計:4,582 hit

人格 3 ページ49

アランside

シト「同居型……つまり、人格同士が同じ部屋で住んでいるってことですか？」
プラ「That's right.
……この型の二重人格は、大体その人格と記憶が共有出来、自由に交代することができる」
そこでようやく理解ができた。
アラン「つばさの場合、人格と記憶が共有出来ている様子はなかった……。
つまり、同居型では無いということか」
博士は大きく頷いた。

れいな「じゃあ''アパート型''の場合はどうなるんですか？」
博士は少し考えてから言った。
プラ「……この型の場合、もう1人の人格と記憶の共有は''ほぼ''無理に近い。
アパートの部屋に鍵をかけるのと一緒で、その人格を外に出さないようにすればいい」
セレナ「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。
だったら、どうやってつばさちゃんのもう一つの人格はそのつばさちゃんの部屋に……つばさちゃんの''鍵''を外したんですか？」
そういうセレナを手で制してまた説明を開始するプラターヌ博士。
プラ「もちろん、セレナ君の言う通りだ。
……だが仮に、相手が''合鍵''に成り代わるものを持っていたらどうなる？」
サトシ「合鍵……ですか？」
プラ「大体この型の扉の鍵は＜自分の弱み＞
である事が多い。……弱みをその人格に握られていたらどうなる」
その質問に僕は言った。
アラン「……その弱みが合鍵になって開く……」
プラ「………そういう事だね」
そして、隣で呆然としていた玲奈が言う。
れいな「……それが……今お姉ちゃんが置かれている状況…………？」
プラ「…………そうなるね」
しばらくの間、沈黙が訪れた。
アラン(………これだけのことを抱えていたのか………今までよく笑っていられたな……つばさ)
しかし、その沈黙を破ったのは突如として鳴り響いたアラームだった。