つばさと感情の石達第三章 (ページ36)

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アラン「……随分と使い込まれてるな？」
つ「まぁ…母も使ってましたからね。三歳くらいで貰ってそこからずっと読んでたんで……
だいぶ擦り切れてますけど問題ないです」
私はパタンと本を閉じた。
すると、リザードンが
ア(リザ)「……歌ってくれ」
つ「えぇ……い、いいけど、下手だよ？」
と言うと、アランも自分の相棒が何を言ったのか察しが着いたのだろう。
アラン「…俺も聞きたい」
と言った。
つ「アランは昨日の夜聞いてたじゃん……」
アラン「今の声が聞きたい」
つ「………わ、わかったけど……」
私はすうっと息を吸った。

♪太陽よ回れ
皆の明日を乗せてって
月よ見守れ
皆を癒して
雨よ降れ
汚れたものを洗い落として
風よなびけ
皆に幸せを届けるために♪

♪花々は美しく咲き誇る
鳥は歌い子供達も笑い声をあげる
そんな日常を願い私は今日も歌いましょう
日常が壊れないように♪

♪ra-ra rarara-riru……フワリと漂う花の香り
rararu-rararira……明日を求めて喜怒哀楽
Happy time is almost there……さぁ始めよう

Happiness is looking for something……………♪

少し短めの曲だが、皆満足してくれたらしい。
アランですら頬を少し緩ませている。
つ「へへ…もうちょっと練習が必要ですかね？」
照れくさそうに笑って見る。
アブソルがこちらに頬を擦り寄せてくる。
つ「あはは…くすぐったいよアブソル！」
きゃっきゃと笑いながら私はポケモン達と笑った。

──現実世界のみんな
もしこの光景を見ているなら
もう分かるでしょ？
私は家には帰りたくない。
ここには私を受け入れてくれる人がいる。
だから私の事は放っておいて。
女神様、私はこの世界に残りたい。
女神様、私はここで新しく人生を過ごしたいです。お願いだから…………

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──誰もこの幸せを盗らないで