つばさと感情の石達第三章 (ページ16)

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癒しページ16

つ「……なにか隠してることある？」
ドレスから着替えたあとにそう聞いた。
アブ「…(ﾋﾞｸｯ)」
一瞬ビクッとした後、私を見上げる。
つ(……口止めされてる……の？)
となれば、無理やり吐かせるのもあまりいい方法とも言えない。
つ「……ごめんね、言いたくないならいいの。
……だけど、せめて何隠してるのかだけ見せて」
アブ「……何も聞かないな？」
少し青ざめた顔でそう聞いてくる。
私は頷いた。
すると、静かに前足をこちらに出した。
つ「……！？！？！？！？！？！？！？！？」
そこにあったのは深くえぐられるようにある傷。
これで出血が収まっているのがすごい。
これは少し問い詰めたいところだが、''聞かない''と約束した限りには何も聞かないでおく。
つ＜……Healing art＞
そう唱え、左手に青白い光を持ち、傷に当てる。
荒かった息も少し落ち着きを取り戻した。
多分、痛みが落ち着いたからだろう。
つ「……いいよ、このまま眠たかったら寝ても大丈夫」
そう言って、痛みを我慢していたからか、
少し汗ばんだアブソルの頬をそっと撫でる。
しばらくすると、目がトロンとし始め、そして寝てしまった。
つ(………さて、少しばかり強引な方法だけど…………ごめんね、アブソル。貴方の''記憶''
見せてもらうよ)
そう言うと、私はアブソルの額に手を置き、
そっと目を閉じた。そして心の中で唱える。
つ(＜''What has happened to date''
Look at me.
...…A few hours ago, show me what happened.)
そして私は光に包まれ、彼の記憶の中へと入っていった。

つ「…ここだね」
今私がいるのは、脳の中。
とはいえ、グ、ロ要素は一切ない。
ただ、辺りに泡のようなものが浮かんでいるだけ。
その泡は記憶。
つ＜A few hours ago＞
すると、静かに泡が移動し、2つの記憶が前へと出てきた。
私はそのうちのひとつに手をとるが、これはパーティ中の時。
私は一緒だったのでこの時に傷が着いたとは考えにくい。
となれば、もうひとつの方だ。
その泡に触ると…………
つ「(ﾊﾞﾁｯ)っ！……見せたがってない……か」
私はそっとその記憶を両手で包み込む。
バチバチバチと言いながら抵抗するが、痛みを我慢して続けた。
つ「ごめんね、アブソル……私はあなたを助けたいから……だからこそ応えて。じゃないと私だって助けに行けないから……」
すると、静かに私は記憶の中へと入ることが出来た。