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あの人に出会って早数年
私は 今日 6才になる。
いつもはしずかな 離れは そうぞうしく
いつもいない お母様は 大人たちと しゃべっていた。
離れから 出され 司さんと兄がいる
本邸へ むかう。
連れて来られたは ぎしきの部屋
今日はぎしきの日
私が 力を持っているのかの
そういえば お母様が ひとつ上の 禪院家の 双子には
力が無いといっていた。
"凶兆"の後のむすめだから 期待と 不安の
声をよく きいた
本当は 力も 血も どうでもいいけれど
あの人がいってた言葉を 少しでもりかいしたいから。
今日は がんばろう。
｢A、服は着替えた？｣
｢はい、お母様｣
｢ならそこに立って。
いつものようにしなさい。｣
｢はい、お母様｣
あの人は この世界のことを 知っているのだろうか。
｢(できれば、知らないでほしいな)｣
本で見た通りにこなす。
呪文が書かれてる 床の真ん中にすわって
自分の血を ふくむ
あとは 少しだけ 私の呪力を
からだ中に いきわたらせる
よくわからないけど
いつもやってた。
それだけ、それだけをすればいい。
｢…これは！｣
だれかがそういった
だけど聞こえないふりをする
わたしは やることをやるだけ
｢(だれかの言う通りになるのは、少しいやだな)｣
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作者名：久遠 | 作成日時：2020年12月27日 1時
