43.運動不足 ページ43
「つめたっ、…けど気持ちぃ〜。」
ナワーブたちからは少し離れた場所。
足が余裕を持って着くくらいの浅瀬で、ぷかぷかと水に浮いてみる。
暑いこの時期にはピッタリの温度、底まで見えるほど透き通った海水。
客がこれだけ沢山集まる場所なだけある。
「本当に綺麗だね。」
私に続いて海に入ったイライが、手のひらで海水をひと掬いしながら言う。
気に入ってくれたみたい。
「でしょでしょ。もう少し深いところに行くと小さい魚も見られるんだよ。…ねえ、イソップはどう?」
イライの更に後ろ、一歩一歩確かめるように水に足をつけるイソップに尋ねれば、どこか納得のいかないような表情で。
「どう、と言われましても…。水にただ浮かんで何が楽しいのやらって感じですね。」
「なんだそれ。」
イソップには海の良さがまだ伝わっていないようだ。
これはもう見せてやるしかない。
「もう、しょうがないなあ。ほらちょっとこっちおいで。」
「わ、何するんですか!」
きっと透明な水中を泳ぐ魚たちを見れば感動してくれるはず。
そう思ってイソップの手をとり、沖に向かって進んでいた時だった。
「!?わ、ぷ…ッ」
例えようのない激しい痛みが右脹ら脛から太ももにかけてを襲う。
しばらく経験していなかった。
足が、つってしまったのだ。
突如私の身体は言う事をきかなくなり、とぷんと頭まで水に使ってしまう。
乾いた口の中に大量の海水が流れ込む。
助けて、と手を伸ばしたところで、お腹に腕が回ってぐい、と勢いよく引き上げられた。
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【湖の宝石】(プロフ) - 最近また見直しているんですけど、ニヤニヤが止まらなすぎて親に白い目で見られる事もありますが、何度読み返してもやっぱりこの作品が第五人格で一番大好きです!素敵な作品を作ってくださり、そして今でも更新してくださり本当にありがとうございます!! (2022年6月21日 23時) (レス) @page1 id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
いくらちゃん。(プロフ) - 暁郗さん» イラストを褒めていただき嬉しいです!ナワーブくんはシリーズ1へお引越し、2にはイライくんのイラストが来るのでまた見てやってください! (2021年8月10日 13時) (レス) id: 30d3d73915 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 俺の推し(ナワーブ)がイケメンすぎて辛い、ありがとうございます……………。 (2021年5月4日 9時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 待って待って待ってください、ナワーブ君のイラストイケメンすぎじゃないですか??え、推しが尊い(遺言) (2021年5月4日 9時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
いくらちゃん。(プロフ) - りなさん» 少しでも補給になっていれば嬉しいです!笑 (2020年8月31日 22時) (レス) id: 30d3d73915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いくらちゃん。 | 作成日時:2020年4月10日 21時