【ツイステ】異世界から来た盗人 (ページ4)

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実際、目は覚めていた。
何処から覚めてたかって？
目元ハートマーク少年が「死体だｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ!!!!!」って叫んだ時から。
だから結構最初から起きてはいたけど、起きるタイミングを見失っていた。
いやね、早めに『あ、俺生きてます』とか言って起き上がれたら良かったのだが、生憎それほどの行動力は持ち合わせてないんでね。
狸寝入り決め込んでたら何人か走ってくる音が聞こえ、気付いたらここ。
今は止血もされてて血は出てない。
あーいつ起きよう。またもやタイミングを見失う。

タイミングを探してたらガサゴソと音がする。
この音……俺の鞄……!!

ガバッと起き上がって犯人を見る。
俺が起きているのに気付いてないのか、未だ鞄をいじってる。
「あ、意外と重い。……この模様……」
何やら俺の鞄に記されてある模様をマジマジと見詰めている。
好奇心と興味と悪戯心が湧いて、少年に声を掛けてみた。

『気になるか？』

「そりゃね、見たことな、ぃ…………あっ」
ｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞと首を重そうにこちらに向け、俺を見た瞬間顔を青ざめる。
ハハ、面白いな此奴。

『人の物漁るとは、とんだ悪趣味野郎だな、少年』

我ながらかっこいいセリフだと思った。