目が覚めたら産屋敷邸だった件。3

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貴方side



あの後ギャーギャー騒いでいたらあのやつれた
車掌さんが来た。


｢切符…拝見…致します…｣


『！』

(『…きた！！』)



『あ、の。すみません、私どこかで切符落として来たみたいで…探してくるので、後でもう一度お願いできますか？』



｢はい…｣



パチン、パチンと切符を切りみんなを眠らせていく車掌さん。背をこちらへ向けた時にトンっと気絶させた。




すぅすぅとみんなが眠っている。そりゃもちろん一目散に起こした方がいいけれど、その眠っている時間、『少しだけ時間をくれ』、と呟き私は考えた。







_______________下弦の壱 魘夢。

眠り鬼・魘夢くんの見せる夢は無限には続いていない。夢を見ている者を中心に円形となっている。
夢の外側には無意識の領域があり、無意識の領域には“精神の核”が存在していて、これを破壊されると持ち主は廃人になる。



(『魘夢くんが炭治郎と同じように《心は原動力》って言っているのがすごい当時は印象に残ってたっけ…。

幸せであればあるほど悲しい夢を見せる。
…炭治郎の夢は残酷、というか悲しい、虚しい夢だったな。』)



…今後、炭治郎を誘導して列車の上に魘夢くんが居ることを言って、原作通りいけば列車の先頭に本体はあるはずだから、そこへ伊之助と
…禰豆子ちゃんと共に行ってもらおう。

確か途中で炭治郎が刺されるシーンがあった…はず。

無いとは思うけど、夢に入ったらまた爆血で燃やして欲しいし…
禰豆子ちゃんには炭治郎を守って欲しい。



私と善逸と煉獄さんで残りの車両は多分庇いきれる。


(『…ん。これでいこう。』)


初めは乗客を2両か3両に全員固めて車両のつなぎ目を切り離した方が戦闘に集中できるかと思ったけど流石に私一人じゃ無理だ。
…だから、できるだけ早く、動くためには今はこれがベストかもしれない。



あの猗窩座が来るまでに。私が少しでも負担を___



バンッと胸を叩き気合いを入れ直す。


『よし。』

クルっと振り返り、禰豆子ちゃん、と呼ぶ。

禰豆子｢む？｣


箱から出てきた禰豆子ちゃんに今まで考えていた策を話す。


『禰豆子ちゃん、禰豆子ちゃんの血鬼術で、皆の縄を燃やしてくれませんか？』


禰豆子｢？…！むー！！｣

最初はよく分かっていないようだったが、がってんしょうち！っといったように炭治郎たちの方へ駆け寄っていった。



私も準備しなければ、そう思い刀を握ろうとすると、近くからすすり声のような声が聞こえた。

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