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炭治郎side
『私の方がお世話になると思います…』
そう言いながら甘い匂いを漂わせるこの子は本当に愛らしい。
Aの過去を聞いたとき、自分とはAには家族がいるのかもわからないという、違う苦しみに耐えていた。
嘘の匂いも当然しないし、それを聞いてしまった時、つかぬ事を聞いた、と思ったが、同時にAの事を1つ知ることができて嬉しい、と思ってしまった。
俺よりもずっと年下なのに、責任感が強くて思いやりも強い。
最終選別での怪我の治療
鼓の屋敷の時も、屋敷から飛び出してきた男性を目にも見えない速さで受け止めたり
善逸と共に禰豆子を守ってくれたり
柱合会議での咄嗟の対応。
Aからは強い匂いもした。
年下とは思えない大人な雰囲気。
だから、一体この子は何者なんだ、とAは謎に包まれている少女に見えた。
でも、こうして少し顔を赤くしながら此方に顔を向けるAは年相応に可愛らしい。
月明かりに光る金色の髪はなんとも美しく、思わず見惚れてしまう程だ。
『な、なんか近くないですか…?』
「近づいたら困る理由でもあるのか?」
Aの問いを問いで返すと、彼女は困ったような、でも恥ずかしそうな顔で俺の顔を見る。
彼女の顔を触ったとき、大袈裟に体が跳ねたり、焦っているような匂いをさせたり、その反応一つ一つが心を擽る。
「これからも話してくれるか…?」
拒絶されるかも、と思ったその問に対し、
『わ、私の方がお世話になると思います…』
と言ってきた彼女は目を斜め下に逸らしながら恥ずかしそうにしていた。
「(…愛しいな。)」
『これからも、よろしくお願い致しますね。』
「…ああ。こちらこそ。」
彼女の顔から手を離し、お互いしばらく無言で座っていると、
肩に重みがしてその方に顔を向ける。
見るとAは
すー、すー、と子供のように眠っていて、
今日は色々なことがあったから疲れたんだな、と思い、寝室まで運ぼう、と思い彼女を横抱きにする。
俺の腕の中で眠っているAはとても軽く、今にでも折れそうなくらい細い。
部屋に入り、俺の病室の隣の寝具が空いていたからそこへ寝かせる。
幸せそうに眠るAをみて、
「(…もっと守れるくらい強くなろう。」)
そう明日の鍛錬へ向けて意気込み、布団の中へ入った。
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奥山乃愛(プロフ) - 私鬼滅の刃のキャラ全員好きなんで累がもし生きてるなら嬉しいです……… (2022年6月9日 18時) (レス) @page19 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - すいません質問です!この小説累って生きてますか? (2022年6月9日 18時) (レス) @page11 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ぴゃさん - 自分の名前でやったら無事キュン死できましたありがとうございました (2020年11月7日 14時) (レス) id: e5f52d7032 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - こんばんわ!素敵な作品ですね!応援してます:) そういえば68話の最後の方「なほ」が「かな」になってましたよ! (2020年7月26日 22時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - ちょっと遅れましたが続編おめでとうございます!短編?面白かったです!体調に気をつけて下さいね(*^^*) (2020年6月16日 23時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タラの芽 | 作成日時:2020年5月29日 14時